東北新幹線“脱線”も・・・「過去の教訓」で“大被害”出ず(2022年3月18日)
宮城・福島で震度6強を観測した地震のニュースです。発生から丸一日が経過しましたが、交通に大きな影響が残っています。脱線した東北新幹線の復旧は、今月中には難しいと見られています。
■乗客「だいぶ車内に傾斜あった」
国内では、およそ1年ぶりに、震度6強を観測。3人が死亡、少なくとも219人がけがをしました。その爪痕は、各地に大きく残っています。
東京発・仙台行きの東北新幹線が、福島駅と白石蔵王駅の間で脱線。乗客75人にけがはありませんでしたが、17両編成のうち、16両が脱線していたことが分かりました。
脱線車両に乗っていた中川陽平さん:「座ってるんですけど、ジャンプしてるような感じ。だいぶ車内に傾斜があったので。『脱線したんちゃうかな?』って、皆で言っていました」
事故現場の写真を確認すると、車両の半分が線路から大きくずれているのが確認できます。
■過去の教訓・・・脱線も“大被害”出ず
今回の脱線を受け17日、JR東日本が会見を開きました。
JR東日本・市川東太郎副社長:「脱線そのものを防ぐのは、かなり難しい。地震は、かなり揺れますので、揺れた時に脱線する可能性はある。車両が横に行かないということによって、大事故になることを防ぐ」
脱線はしたものの、大きな人的被害が出なかった理由。そこには、過去の教訓がありました。
2004年に発生した新潟県中越地震です。
脱線した車両は、幸いにも雪を排出する溝にはまり停止しましたが、一歩間違えれば、対向車両との激突や、高架橋から転落するなどの大事故につながる恐れがありました。
鉄道アナリスト・川島令三さん:「中越地震の後、色々研究して、各社やり方は違うんですけど、新幹線の場合、逸脱防止装置を付けて、レールから外れていった時に、留め金みたいなもので止まるようになっている」
川島さんによると、逸脱防止装置などがあれば、脱線しても大きくレールから外れることはないため、大きな被害にはつながらないといいます。
運輸安全委員会・加藤剛さん:「列車が進行してきた方向に、脱線痕が見つからなかった。止まる瞬間、もしくは、止まってから脱線してしまった」
■福島・仙台間「年度内再開は・・・」
脱線以外の被害も、徐々に明らかになってきました。
複数箇所でレールのゆがみ、高架下の橋脚が一部崩れたほか、架線を支える電柱の損傷などの被害が確認されています。
JR東日本・市川東太郎副社長:「3月18日から21日は、那須塩原と盛岡の間で運転を見合わせ。福島と仙台の間は、かなり被害が大きい。この区間の運転再開は、年度内は厳しい」
東北新幹線の一部運休に伴い、日本航空と全日空は、羽田から仙台、花巻、山形への臨時便を運航することを決めました。
■“M7超”の地震「高確率で発生」
そして、17日午後9時、地震調査委員会が今回の地震の分析結果を説明しました。
平田直委員長:「マグニチュード9の地震は、しばらく起きないだろうとされていますけど、マグニチュード7を超える地震については、非常に高い確率で起きると評価されている。東日本大震災が起きたことによって、もっと起きやすい状態になっている」
(「グッド!モーニング」2022年3月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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