立て続けに大きな揺れ なぜ?“長周期地震動”注意点は?専門家解説(2022年3月17日)

立て続けに大きな揺れ なぜ?“長周期地震動”注意点は?専門家解説(2022年3月17日)

立て続けに大きな揺れ なぜ?“長周期地震動”注意点は?専門家解説(2022年3月17日)

16日午後11時36分ごろに発生した福島県沖を震源とした地震。最大震度6強でしたが、広範囲で揺れを観測しました。そして、この2分前にも、ほぼ同じところで最大震度5弱の地震が起きています。元気象庁長官で東北大学大学院特任教授・西出則武さんに聞きます。

(Q.今回の地震の特徴を教えてください)
地震の起こった場所が決め手になると思います。東日本大震災では、比較的浅い場所の2つのプレートの境界のところが滑って、大きな地震が起きました。海の底に近いので、プレートがずれた影響で海底の変形に表れ、大きな津波が起きました。今回の震源は陸に近く、深い。海底から離れているので、津波はあまり起きませんでした。今回、地震の規模の割には、津波は30センチ程度でした。その代わり陸に近い分、強い揺れとなりました。

(Q.2分前にあった大きな地震は、何だったのでしょうか)
最初の地震が、2つ目の地震を誘発したかどうかはわかりませんが、一つ言えるのは、最初の地震は小さいとはいえ、最大震度5弱でした。これは大きな地震です。そこで揺れが始まり、揺れが収まったかどうかというところで次の地震が起こり、さらに大きな揺れになった。それを想像してみると、東日本大震災のときは、トータルで3分以上、揺れました。どんどん揺れが大きくなっていきました。福島や宮城の方は、11年前を思い出して、怖い思いをした人もいたのではないかと思います。

今回の“長周期地震動”の観測状況です。“長周期地震動”とは、周期が長い揺れのことで、高層ビルなどの場合“共振”して、より大きく長い揺れになります。東日本大震災でも見られました。

地震の“震度”は、地表付近の短い揺れが対象ですが、長い揺れを表すのには適切ではないため、気象庁は2019年から4段階の『階級』で表すことにしました。今回、宮城県北部は『階級4』と、『立っていられず、這って動くしかない』ほどの揺れでした。また、関東などの広い範囲で『階級2』、『物につかまらないと歩くのが難しい』揺れ方でした。

(Q.長周期地震動は、なぜ起きるのでしょうか)
地震は、いろいろな周期の波を出しています。マグニチュード7.4の大きさになりますと、長周期地震動もかなり出しています。約1年前の2月に、ほぼ同じ場所で、同じくらいの地震が起こりました。そのときは『階級4』でした。そのときは、今回ほど話題になりませんでしたが、同じくらいの範囲に『階級4』というのは表れています。今回、特別だったかどうかは、よく吟味しないといけません。

高いビルの場合、地震の揺れと建物の周期が合致すると、共振する。どんどん大きな揺れになっていく。これが非常に怖いです。室内で大きなものが動くのも危険で、そこから逃げるためエレベーターに乗りたいと思います。ただ地上の震度がたいしたことないと思っても、長周期地震動で揺れがどんどん大きくなって、エレベーターのワイヤーが外れたことも過去にはありますので、絶対にエレベーターを使うことはやめていただきたいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事