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“鬼門”参院選の争点にもウクライナ情勢の影響が…岸田首相、ガソリン価格「172円維持」発言の裏側【後藤部長のリアルポリティクス】
岸田首相はガソリン価格について「当面172円を維持します」と表明しました。市場原理で価格は決まるものを、あえて172円と具体的な数字に総理大臣が触れたというのは、異例のことです。その背景について、TBSの後藤俊広政治部長が最新の取材に基づいて解説します。(聞き手:若林有子アナウンサー)
--ガソリンや物価について、与党の幹部が様々な発言をしています。
この週末、自民、公明それぞれ地方幹部を集めて会合を開きました。これは今年の夏に予定されている参院選挙に向けた打ち合わせや対策が主要テーマでしたが、それぞれの幹部の発言を整理していきます。
まず公明党の山口代表です。先週の土曜日(12日)に地方組織の幹部を集めた会合で、物価について「補助金に加え、税での対応として、ガソリン税など一時的に引き下げるトリガー条項の凍結を解除し、利用者に値下げを実感していただくことが必要」と発言。公明党のトップとしてトリガーの解除について触れ、政府側に厳しい注文を付けました。
--これは踏み込んだ発言ということですか?
公明党のトップの発言ですからかなり重いと思います。自民党では世耕参院幹事長がやはり地方の幹部を前に、「国民が生活が厳しいと実感する中では必ず与党は選挙で苦戦をすることになります」と発言し、経済対策などを早く打ち出していくべきだと訴えています。山口さん・世耕さんが共通しているのは夏の参院選挙をかなり意識した発言だということです。
--国民を安心させるための材料が必要になるということですか?
なぜかというと、参院選というものに特徴があります。いまの自公は参院選挙を“鬼門”とみています。
--少し苦手としている?
自公は苦い思い出をいくつも経験しています。この30年を振り返ってみると、1989年、1998年、2007年と自民党は参院選挙で大敗しています。その都度、時の政権が退陣に追い込まれました。例えば2007年の参院選では安倍元首相の第一次政権が歴史的な大敗を喫しました。この時は負けた直後は内閣改造をして続投ということになったのですが、参院で与野党の議席数が逆転する“ねじれ現象”が起こったため、政権運営も無理ということで2か月後には退陣という決断を強いられました。そういったことから、今回も岸田首相はじめ自民党・公明党幹部は参院選はなかなかうまくいかないんだという経験則があると思います。その中でいま、ウクライナ情勢の先読みが出来ないということが新たな危機感になってきているんだと思います。
--どれくらいの影響が出る?先が読めないということでしょうか?
予測しかねているのだと思います。一つはウクライナの戦闘の様子が見えてこないということがある。ロシア軍は首都キエフに迫っている状況ですが、ウクライナの抵抗は依然続いていますし、接戦の様相になっていてこうなると侵攻自体が長期化あるいは泥沼化する危険が出ていると思います。
--ロシア側の当初の予定よりも上手くいっていないと?
少なくともプーチン大統領が思い描いているシナリオ通りにいっていないのだろうなという部分は私たちも読み取れるのかなと。そしてもう一つ今回の戦争で特徴的なのは、アメリカやヨーロッパ、日本はかなり厳しい経済制裁をロシアに課している。考えようによっては、アメリカをはじめとする国際社会はロシアを国際社会、経済活動から切り離そうというそういう覚悟を感じます。それくらいの厳しい措置をとっていると見えます。これも岸田首相にとってみれば、経済にどこまで悪影響が進んでいくのか計り知れない。そういった意味でも不確定な要素になっていると思う。
--ロシアと言えばエネルギー大国。ガソリン価格はどこまで引き上げられるのでしょうか?
確実にいまリアルタイムで影響を受けていますが、それがさらに読めないのは、これがどれぐらい続くか、原油価格がどれくらい上がるのか。物価は原油価格に連動する形になっているので、ガソリンだけでなく物価対策で政府はしっかりしなければいけない。明確なアピールをする材料がなければ参院選苦戦するぞ、という危機感の表れが、一連の発言につながっているのではないかと思う。
--岸田首相も170円台を維持するという発言がありましたが、それでも十分高いという感覚があると思います。
おそらく岸田首相の考えでは、価格が上がっても172円は死守するんだという意思表示としてああいった発言があったと思います。いま卸売業者に最大1リットル当たり25円の補助金を支給しています。しかしそれでも足りなくなり、原油価格の高騰がさらに広がる場合には、やはり公明党の山口代表が指摘した“トリガー条項”つまりガソリン税の一部の解除という政治判断を迫られる状況もありうるのではないかと思います。補助金の額にしても、いまの25円で価格が維持できるかどうか議論が進む可能性もあります。政府内では法改正をともなうことから解除には慎重な意見があります。与党内の積極的な意見と政府内の慎重論をどう聞いていくのか、岸田首相の“聞く力”が問われることになりそうです。
(14日19:00)
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