木村隆二容疑者(24)の人物像に迫る 中学同級生の印象は?政治との接点は?【首相演説爆発事件】
和歌山市の演説会場での爆発事件。今回の犯行は白昼堂々、現職の総理大臣がいる前で行われました。
威力業務妨害の疑いで逮捕された職業不詳の木村隆二容疑者(24)。木村容疑者はどういう人物なのでしょうか。
和歌山市の現場から約100キロ離れた兵庫県川西市に容疑者の自宅があります。家族と暮らしていたという木村容疑者ですが、近所に住む人は……。
近隣住民「こっちがこんにちは。向こうも小さい声で、こんにちは」「常識の範囲で普通の青年」「息子さんとは少なくとも、お母さんとは仲が良かったんじゃないですか。草刈りを一緒にしてるぐらいなんで」
これは小学校の卒業アルバムに載せられた木村容疑者の文集です。つづられていたのは……。
「将来の夢はパティシエか発明家です」「お年寄りやひとり暮らしの手伝いや料理をするロボット、洗たくをするロボットなど役に立つ機械をつくりたいです」
中学の同級生だという男性は……。
「おとなしい感じ」「1人で机座っているようなイメージ」
木村容疑者は逮捕後の取り調べで黙秘を続けているといいます。 なぜ、総理の演説会場で事件を起こしたのでしょうか。
取材では木村容疑者と政治の接点が明らかになりました。
昨年9月、川西市で開かれた市政報告会。自民党関係者によると、そこに木村容疑者も参加していて、熱心に質問するなど政治に強い関心がある様子だったといいます。
「捜査員が家宅捜索に入ります」
家宅捜索は真夜中から約8時間半にわたって行われました。
和歌山県警は木村容疑者の自宅から火薬のような粉末や工具類、パソコンやタブレットを押収。また、県警によると、木村容疑者が持っていた手提げカバンの中には13センチほどの刃物が入っていたということです。
そして今回、犯行に使用されたとみられる金属製の“パイプ爆弾”とは何なのか……。
専門家によると……。
銃器研究家の高倉総一郎さん「いま手元にあるもの、こういったもの、これが給水管になるが、素材がステンレスや銅が一般的」。
火薬の種類は安倍元総理銃撃事件を模倣して、黒色火薬が使われた可能性を指摘します。
高倉さん「一つは同じように大きく低い音が響いたのと、白煙の多さ。あのあたりがほぼ類似。黒色火薬の特徴と言えます」
では、威力はどれほどだったのでしょうか?
高倉さん「どちらの可能性もあると思うが、現場に落ちていたもの手に持っていたものを見ると、周囲に糸、タコ糸のようなものを結び付けたナットが見えた。違うかもしれないが、ああいったものがあるということは破裂した際に、周辺に飛び散る金属片を増やすことによって殺傷能力を高める工夫していたように思う」
専門家が注目しているのは、爆発物が投げられてから爆発するまでの時間が、約50秒だったという点です。
高倉さん「一番に考えられるものは遅発、遅れて爆発するのが起こった。導火線で燃えて、中に火は入ったものの、火薬が湿気を帯びて燃焼に至らなかったか。密閉が弱くて……」
専門家は精度は高くなかったとみています。
岸田首相「民主主義の根幹をなす選挙において、こうした暴力的な行為が行われた。このことは絶対許すことはできないと考えています」。
この発言の約4時間後……。
当初の予定通り、16日も岸田総理は応援演説を行いました。
この演説会場では……。
聴衆の前に警察官を配備。会場の至る所に警察官が。
さらに……。
警察官「はい、結構です。ペットボトルをお持ちの方は、ポケットにしまうか、バッグの中にしまってください」
警察官が一人ひとりの手荷物をチェックするなど、厳戒態勢が敷かれていました。
選挙期間中に再び起きた暴挙。警護態勢の問題点が改めて浮き彫りになりました。
コメントを書く