【異変】1泊3000円台も！京都のホテルで値下げ競争「びっくりした」中国人観光客の“渡航自粛”で
年の瀬を迎え、京都観光にいま、異変が起きています。このまま行けば、今年の年末年始は混雑が避けられるかもしれません。
（取材・報告＝切通大雅 記者）
京都屈指の観光地、清水寺へと続く参道には、今から向かう人、そして参拝を終えて戻ってくる人が行き交っています。一見するとにぎわっているようにも見えますが、秋の観光シーズンを終えて、人出は少なくなっているように感じます。
私は11月にも、この辺りで取材をしていたのですが、その時は紅葉シーズンということもあり、道幅を埋め尽くすほどのたくさんの人でにぎわっていました。それと比べると現在は、坂道の地面も見えてくるほど人出も減っているように感じます。
京都を訪れる観光客が減っている要因の一つは、やはり中国の渡航自粛が挙げられると思います。約1か月が経ちましたが、11月に日本を訪れた中国からの訪日客の数は約56万人と、月別で見ると今年最少を記録しました。
参道に立ち並ぶ飲食店や土産店に話を聞きますと、「例年の同じ時期と比べると人出は少ないように感じ、売り上げも普段より少し減っている。この状況が来年の春節まで続くと心配だということです。
こうした状況の影響もあり、京都のホテルの宿泊料金がいま、値下がりするという異変が起きています。
◇◇◇◇◇
京都駅から徒歩約10分のところにある京都市南区のホテル。通常は1室7000円台で提供していましたが、12月は…
ホテルエリート京都ステーション・倉橋 秀木さん
「今は3000円台まで下げざるを得ない状況」
なんと、約半額に！
ホテルエリート京都ステーション・倉橋 秀木さん
「もともと12月というのは暇な時期でしたので、暇プラス中国本土からのお客様が来られないという慌てふためいたところで、各ホテルがパニック状態になったということで、どんどん値下げ競争が始まった」
去年、京都を訪れた外国人観光客は、中国が1位で約20パーセント。2位のアメリカは12月から2月にかけては来日が減少し、その“冬場の需要”を中国人観光客が補っていましたが、11月14日、中国政府が呼びかけた日本への渡航自粛をきっかけに、中国人観光客が激減。ホテルは空室を埋めるために相次いで値下げに踏み切りました。
この事態に日本の観光客からは…
福岡県からの客
「2人で3泊4日で2万6000円」
（Q：1泊8000円、ホテルの値段を聞いてどう？）
「びっくりしました。1泊でそのくらい（2万6000円）かなと思ったら、3泊だったので」
愛知県からの客
「京都全体が高いイメージあったが、探したら結構安かったので。前までがいっぱい人がいすぎて、こんなに空いている感じじゃないと思うので、空いているうちに京都は来ようかなと」
ホテルエリート京都ステーション・倉橋 秀木さん
「これから年末年始に入ってくるので、もちろん私どもも、年末年始3000円台というわけにはまいりませんので、もちろん値段は変えていきますが、今まで『京都は高すぎてこれなかった』『今がチャンスだ』ということで、特に日本の方から予約をいただいています。ただ値段が上がってくると、また来られなくなるので、そこのさじ加減が大事」
ホテル代の高騰や混雑が懸案となっていた京都。本来の観光の在り方を見つめなおすきっかけになるかもしれません。
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