ウクライナ情勢 キエフに向け進軍 米「最恵国待遇」取り消し

ウクライナ情勢 キエフに向け進軍 米「最恵国待遇」取り消し

ウクライナ情勢 キエフに向け進軍 米「最恵国待遇」取り消し

ウクライナ情勢です。ロシア軍は首都キエフに向けて複数の方向からさらに前進しています。一方、アメリカはロシアに認めている貿易上の「最恵国待遇」の取り消しなど新たな制裁を発表、G7=主要7か国も協調して追加の制裁を表明しました。

住宅地から上がる炎と煙。アメリカの民間企業が公開したキエフの北西およそ20キロの地点で11日撮影された衛星写真です。

アメリカ政府高官が11日明らかにしたところによりますと、キエフに最も近づいているロシア軍の部隊は前日と同じ北西に15キロの位置にいるものの、北東から向かっている部隊は前進し、中心部まで20キロから30キロの地点に近づいているということです。

こうした中、国連では、ロシアの要請で安保理の緊急会合が開かれました。ロシアのネベンジャ国連大使はウクライナにあるペストや炭疽菌などの実験を行う施設にアメリカ国防総省が関与しているなどと主張。

アメリカ トーマスグリーンフィールド国連大使
「今日聞いているような嘘をこれ以上広めるつもりはない。この会合にふさわしくありません」

これに対し、アメリカ側は「偽情報を拡散するために安保理会合を利用した」と非難、各国からもロシアに対する批判が相次ぎました。

アメリカ国防総省の高官は「ロシア側が生物化学兵器に関するうその情報を流した上で、それを口実にウクライナで実際に使用する可能性がある」と警戒感を示していて、バイデン大統領はこの可能性について聞かれると…

アメリカ バイデン大統領
「機密情報は話さないが、ロシアが化学兵器を使ったら厳しい代償を払うことになる」

また、バイデン大統領はロシアへの新たな経済制裁も発表。

アメリカ バイデン大統領
「プーチンへの圧力をかけ続ける。プーチンは侵略者だ。代償を払わなければならない」

ロシアに対し、関税の税率を引き下げるなどの貿易上の優遇措置「最恵国待遇」を取り消す手続きに入るよう議会に求めました。

さらに、この後、G7=主要7か国の首脳も共同声明を発表し、各国が「最恵国待遇」をロシアに与えないよう努めると表明しました。

岸田首相
「G7首脳声明を発出しました。政府としても声明に基づいてG7と協調しながら具体的な行動をとっていきたい」

一方、岸田総理はG7=主要7か国の首脳がロシアの追加制裁について“さらなる措置を行う用意がある”などとする声明を発表したことを踏まえ、他のG7首脳らと協調して追加制裁について検討する考えを示しました。
(12日17:11)

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