【解説】道頓堀の火災 室外機付近が火元の可能性 専門家「複数の悪条件が重なり被害拡大か」
現場近くには、きょう(21日)も多くの花束が手向けられていました。火を消したいという想いか、のどの渇きを潤してあげたいという想いか、水の供え物も目立ちました。
消火活動中の消防隊員2人が亡くなった火災の発生から3日。当時の状況が徐々に明らかになってきました。
報告・福島 達朗 記者
「捜査関係者によると、焼けた2つのビルのうち、西側のビルの外側の1階部分に設置されたエアコンの室外機付近が激しく焼けていたことがわかりました。ここが火元となった可能性があります」
西側のビルの1階部分には、エアコンの室外機が設置されていました。その付近から出火したとみられる火は、壁に設置された屋外看板などをつたって上昇。隣にある東側のビルの5階の窓に燃え移ったとみられています。
実際、火事が発生する前の画像をみると、ビルの壁面には多くの看板が。これが火の回りを早めた可能性があります。
当時の映像を見ると、下の方で発生した火が、徐々に上がっていくのがわかります。消防によると、今回のビルの屋外に設置された室外機や看板は、点検の対象外だということです。
さらに消防への取材で、亡くなった隊員2人の細かな動きも明らかになってきました。
発火直後に到着した隊員2人ともう1人の隊員の合わせて3人は、空気ボンベを装着して、東側のビルの5階へ。その際、5階の天井部分が崩れ、3人は二手に分かれる形になりました。
1人は自力で脱出しましたが、亡くなった2人は逃げ道を失い、6階へ上がりましたが、酸素が足りなくなり窒息死したとみられています。
「黙とう」
21日、大阪市消防局は、事故調査委員会の会合を初めて開き、冒頭、黙とうを捧げました。今後、専門家らの意見も踏まえ、火災の原因や当時の活動状況などを検証します。
横山 英幸 大阪市 市長
「現地は非常に建物がたくさん建っているところで、非常に困難な現場だと思います。その中で大変不幸な事態が起きてしまったというのが今回のケースだと思います。調査を進めて必要な課題がれば対応していく」
事故調査委員会は、来年3月までに報告書をまとめる方針です。
■新たに分かったことは?
(中谷 しのぶ キャスター)
今日、新たにわかったことですけれども、1階の室外機付近から出火し、火は上昇していったのではないかということ。
また、5階の窓ガラスが焼損して、建物内に延焼したんではないか。
この2点が新たにわかっています。
■延焼拡大の要因は?
燃え広がった理由について専門家は、このように指摘をしています。
「悪条件が重なってしまった」ということなんです。
どういうことかといいますと。
『室外機』です。
この1階付近で激しく損傷していたこの室外機というところですけれど、壁沿いに一つと何機かあって多く室外機が設置されていました。 また、『看板』です。ビルの側面に外壁を覆う看板、こちらも燃えやすい材質であった可能性があるということ。
そして、2棟の間のここに『配管』があるんです。
「エアコンのものではないか?」とみられるんですけれども、この配管が上まで伝っていまして、それを伝うように火が燃え広がってしまったのではないか。
この3つです。『室外機』・『看板』・『配管』という悪条件が重なってしまって、火災の被害を拡大させてしまったのではないかということです。
大阪に限らず、本当によく見る光景ではあります。
(指宿 文 解説委員)
大阪で言うと北新地の放火殺人事件もありましたし、避難経路をどう確保するのかが、すごく大きな課題になりました。
そのあたり、いろんな消防点検っていうところもやってるはずなのに、今回の場合、法令違反もいくつかあったんじゃないかというところもあって、気になるところではあります。
いくつもの想定をされていると思うんです。そんな中でも、命を落とすという結果になってしまったということは、一つ一つ何が原因として上げられるのか?
今一度、北新地の放火事件があった後でもお同じようにちょっと火災が起きやすい原因が、まだ残ってしまっているっていうところをどうやって丁寧に潰していくのか。
今後、消防・行政は本当に難しいと思うんですけれども、オーナーがいたりとかテナントを借りてる方がいたりとか、難しいと思うんですけども、そこを一つ一つ丁寧にきちんと当たって、危険要素をなくしていっていただきたいなと思います。
■建物に関しての点検は?
(中谷 しのぶ キャスター)
今、点検という話がありましたが、大阪市消防局によりますと、屋外の看板・室外機について、今回の建物では点検の対象外だったということです。
専門家の方も看板は、建築基準法で規制があって、消防では指導しづらいという面があると指摘をしています。
今回も火災報知器の不備など、6項目で違反が指摘されていて、行政指導も受けていた。ただ一部は改善されていなかった、という報告もあります。
北新地の件もありましたので、こういった点検の基準も含めて改善が必要かなと思います。
■室外機の危険性
今回この発火原因が、室外機かどうかは不明なんですけれども、実際に室外機が発火する事故というのが起きています。
こちら実験映像をご覧ください。
別のものから火が移って、室外機が燃えているという状況なんです。室外機はこれだけ燃えてしまうのです。
■室外機の点検 10年を目途に必要
なぜこうなってしまうのかですが、周りは確かに鉄製のものですけれども、中の合成樹脂が燃えやすいため、引火に注意が必要だということです。
火の気のあるものは周りに置かないなど、注意が必要です。
また、その他から移って燃えるだけではなくて、室外機自体からの発火というのもあるそうです。ゴミや虫そして小動物が侵入して、基盤がショートし、発火することもあるということです。
また、老朽化・日差しや高温で、劣化が進むこともあります。10年をめどに点検をしてください。今一度、ご自宅の室外機も大丈夫か、確認いただきたいと思います。
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