備蓄米20万トン追加放出へ 半分は初の“古古古古米” 5キロ1700円程度 次の一手は外国産米か

備蓄米20万トン追加放出へ 半分は初の“古古古古米” 5キロ1700円程度 次の一手は外国産米か

備蓄米20万トン追加放出へ 半分は初の“古古古古米” 5キロ1700円程度 次の一手は外国産米か

10日、新たに、追加で20万トンの備蓄米を放出することを明らかにした小泉農水大臣。半数の10万トンは5年前に収穫された“古古古古米”で、5キロあたり1700円程度になる見通しです。矢継ぎ早に打ち出す政策で、コメの価格はどこまで下がるのでしょうか。

 残り30万トンの備蓄米。その行方は――。

 小泉農水相
 「明日からまた追加の備蓄米を放出します。全く手を緩めるっていう気はない。できることは何でもやる」

 この日、小泉農水大臣は2021年産と2020年産の備蓄米をそれぞれ10万トン、合わせて20万トンを随意契約で放出することを明らかにしました。11日から受付が開始され、対象は大手小売業者と中小のスーパー、街のコメ店で、これまでに契約を結んだ事業者でも申し込めるということです。

 “古古古古米”ともされる2020年産の備蓄米の放出は今回が初めてで、店頭価格は5キロ当たり1700円程度になるとしています。

 小泉農水相
 「やれば批判もあるし、やらなければ批判もあるし。結果責任と説明責任を負うのが政治。その覚悟でやっている」

 絶え間なく放出された備蓄米は、コメの価格にどんな影響を与えているのでしょうか。大手小売りを対象に1回目の随意契約の申し込みが始まり、一部で備蓄米が販売された先月26日から今月1日までの1週間――。

 全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、前の週より37円安い5キロあたり4223円で、2週連続の値下がりとなりました。 ただ、9日に発表された平均価格の調査対象には、随意契約による備蓄米は含まれていません。

 小泉農水相(9日)
 「今これからまさに3000円台という方向に向けて、全く安心する暇はありませんので、スピード感を緩めずにしっかりやっていきたい」

 大手コンビニなどでは、備蓄米の取り扱いが始まった一方で、銘柄米の販売にも変化が――。
 
 瀧本怜佳 記者
 「ファミリーマートでは、きょうから国産のコシヒカリ1.5キロが300円引きになるセールが始まりました」

 ファミリーマートは、この日から今月末にかけて、銘柄米を使用した2つの商品を値下げに。

 買い物客
 「300円はでかいと思いますね」
 「高いし、店頭にも売っていないことが多いので、ありがたいと感じます」

 ファミリーマートは、「備蓄米の全国展開と銘柄米の割引を同時に行うことで、コメを買う新たな選択肢にしたい」とコメントしています。

 銘柄米の値下げの動きは広がっていくのでしょうか。大阪市内にあるコメの販売店では――。

 北野米穀店
 「『サキホコレ』はきょうからです。長いこと入荷待ちやったから」
 「来なかったな」

 この数か月、銘柄米が手に入りにくく、秋田県産の「サキホコレ」は約1か月半ぶりに店頭に並びました。

 備蓄米が出回るようになり、卸業者から卸される銘柄米の量が増えたといいます。

 北野米穀店・櫻井豊 社長
「備蓄米が入ることによって、卸にも供給量が増えて融通が利くようになってきた感じがします」

 一方で、高い値段で入荷した銘柄米の在庫が売り切れるまでは、大幅な値下げができない事情もあると言います。

 北野米穀店・櫻井豊 社長
 (Q:現在の銘柄米の価格について)
 「苦しいですね。うちらの規模だったら備蓄米が入らないので、よそと比べたら高い値段出さないと仕方ない。早く備蓄米が回ってきてほしい」

 小泉農水大臣の就任から3週間。
 “スピード重視”で進むコメ政策の次の一手とされるのが、備蓄米が底をついた場合の外国産米の「緊急輸入」です。

 小泉農水相
 「日本のお米は、日本人として特別だから(輸入米は)絶対にダメだということであれば、 価格高騰をそのまま放置して、どれだけ高くても買ってもらえるかというと、私はそうではないと思います。感情論だけでは済まない、そういった局面だと思うので、いずれにしてもあらゆる選択肢は検討しながら、この価格高騰は何としても抑える」

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(黒木キャスター)
 小泉農水大臣がきょう、備蓄前の追加放出を発表しました。合わせて20万トンの追加放出です。
 まずは2021年産のお米10万トンを5キロ1800円程度で放出して、その後に2020年産のお米10万トンを5キロあたり1700円程度で放出する見込みだということです。
 残り10万トンは災害に備えてということです。

 今回の新たな追加放出ですが、これまでに大手小売りの他に、中小スーパーや、精米機のある町のお米屋さん、これまで量が多いので参入できなかったところも、複数のお米屋さんなどが一緒にタッグを組んで契約することもできるようになったということで、今まで随意契約に参加できなかったようなところも参加できるようになるんじゃないかということです。

 価格がどう影響していくのかです。きのう発表された、先月26日から今月1日までの5キロあたりのお米の価格は、前の週に比べて37円下がり、4223円となったということです。

 値下がりした理由について、「なぜスーパーの価格が下がったのか」と専門家の方に伺いました。
「備蓄米が流通して、いわゆる銘柄米、日本のブランド米より安いブレンド米の販売の比率が上がったから」とのことです。先ほどの平均価格というのは、銘柄米とブレンド米の合わさった平均価格なので、その販売比率が上がったから、価格が下がったんじゃないか、ということです。

(高岡 特別解説委員)
 これはっきり言えば、銘柄米だけだと下げられないです。だってその値で買っちゃったから。ところが入札の時の備蓄米はお値段は少しは安いので、混ぜて少しずつ安くすると。そういう発想ですよね。

(黒木キャスター)
 そして今回のこの追加放出の影響ですが、「備蓄米を米穀店の方などが直接購入できるようになったことで、卸売業者への発注が減って卸売業者の在庫が余るのではないか」ということです。そうなってくると「価格が下がる可能性はあるが、前回の随意契約分も行き渡っていないので、速攻性は疑わしい」と専門家の方はおっしゃっています。

 先ほどの米穀店の方は、「高く仕入れた銘柄米の在庫が残っているので、それをどう処理できるかが課題。スーパーは回転も早いし、安く売られている分、価格競争で負けてしまう」と話しています。
 新たな随意契約が出てきたことによって、新たな悩みも出てきているということです。

(高岡 特別解説委員)
 私は小泉さんの発言に注目しましたが、今朝もそうです。最近ずっとこれを言いますね。「面的に行かないとダメだ」と。

 我々もこの2~3週間お伝えしてきましたが、とにかく備蓄米が出てきてくると、当然安いのを待っておられた方が大規模スーパーに並ばれる。
 だけど全国的に見ると、スーパーに並ぶというのもつらいと、それからお米屋さんにいつも買いに行っているわけではないという国民も結構いて、こういう方はコンビニになるんですね。

 確かに5キロにしたら高いかもしれない。しかしある層の方、単身者の方、高齢者の方、そういう方々は5キロで買わない。
 コンビニって並んでいくところではないです。やっぱり仕事の帰りに寄って、いつもあるからコンビニです。
 いま地方に行ったら、コンビニが唯一のスーパーに替わる店っていうのがありますので、そういうところにこういうのが行き渡るようになると、コンビニこそ地方だということになると、「面的」に全国に行き渡るということになります。
 だから今回のものが、全体が下げることに、面的に全国的に広がりますから、広がっていくかもしれない。
 ただ仕入れちゃった人たちが、赤字を確保してやってくれるかどうか。ちょっと来週も目が離せないという感じです。

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