ウクライナ市民の証言 NY支局オンライン取材

ウクライナ市民の証言 NY支局オンライン取材

ウクライナ市民の証言 NY支局オンライン取材

ロシア軍の攻撃が激しくなるウクライナ前線の都市に今も留まる人たちがいます。オンラインで取材すると、“街の外”には届かない彼らが置かれた窮状が浮き彫りとなりました。

爆撃されたオフィスビル。場所は、ウクライナ第2の都市・ハリコフです。

爆撃を受けたビルの2階にいたオレクサンドルさんがJNNの取材に応えました。

オレクサンドルさん
「ハリコフは最も被害を受け、今も攻撃を受け続けています。5分から10分おきに爆発音と銃声が聞こえます。最初の3、4日は軍事施設を狙っていましたが、その後は住宅地や学校、病院などあらゆる場所を無差別に攻撃しているのです」

妻と7歳の息子は国外に避難しましたが、オレクサンドルさんは今も13歳の娘と母親らと一緒にハリコフに留まっています。そして、ロシア軍の市内への侵攻に備え「領土防衛隊」に入隊し、訓練を続けています。

オレクサンドルさん
「私には2人の子どもがいるので、死ねません。彼らの成長を助けなければ。もちろん死にたくはない。しかし、戦わざるを得ません」

9日の夜、再び連絡を取ると緊迫した様子の音声メッセージが届きました。

オレクサンドルさん
「いま起きていることは、毎日繰り返されていることです。空襲警報のメッセージが届き、誰もが地下室に逃げます。銃撃や大砲、ロケット弾の場合は警報がなく、ただ爆発音が聞こえ、近くで爆発が起こり、皆が防空壕に逃げ込むしかないのです」

ウクライナ西部のジトーミルに留まるハリーナさん。

ハリーナ・ナオミッツさん
「ウクライナ人の大虐殺です。ナチスよりひどい。子どもを撃つ。避難所を攻撃する。なぜこんなことができるのでしょうか?」

ジトーミルでは9日も住宅地が爆撃され、子ども3人を含む6人が死亡。

一緒に住む息子は、ロシアの侵攻が始まった後、領土防衛隊に入隊しました。

ハリーナ・ナオミッツさん
「戦場にいる皆さんを思うと胸が痛みます。どの母親も、息子が生きて帰ってくるように神様に祈っているでしょう」

彼女は、ジトーミルを離れる気持ちはないと断言します。

ハリーナ・ナオミッツさん
「もう決めています。どこにも行きません。だって意味がないですから。ここは私の土地、ここは私の家です」

ロシアの侵攻後、ウクライナから国外に脱出した人は200万人を超えています。その一方で、いまだ4000万人以上の市民が国内に留まっています。
(10日17:16)

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