統合型リゾート「IR」2030年開業確実に 万博中の工事巡る対立一転「合意」事業者「解除権」放棄

統合型リゾート「IR」2030年開業確実に 万博中の工事巡る対立一転「合意」事業者「解除権」放棄

統合型リゾート「IR」2030年開業確実に 万博中の工事巡る対立一転「合意」事業者「解除権」放棄

 大阪・夢洲で整備が進められているカジノを含む統合型リゾート(IR)について2030年秋ごろに開業することがほぼ確実となりました。

 10日、総理官邸で開かれたのは、来年、開幕する大阪・関西万博に関する会合です。しかし、大きな話題となったのは、会場となる夢洲に開業が予定される「IR」でした。

 斎藤健・経産相
「万博に悪影響が生じないよう、IR工事を実施することが約束されました」

 国際会議場やホテル、カジノなどを盛り込んだ統合型リゾート施設「IR」。

 万博開催と並行して行われる予定のIR建設工事をめぐり、万博の国際機関「博覧会国際事務局(BIE)」のケルケンツェス事務局長が懸念を表明していました。
 
 ケルケンツェス事務局長
「聞いていない」

 騒音などによる万博への悪影響が問題視され、万博期間中のIR工事の中断を求められていたのです。

 これを受けて担当大臣らも…。

 自見英子・万博担当相
「万博会期中は、万博の成功が最優先」

  斎藤健・経産相
「万博開催期間中は、万博の成功が最優先」

 一方、IRの事業者側としては、工事が半年遅れるだけで数百億円規模の追加負担が必要になる可能性があるだけに、厳しい要求でした。

 その事業者側ですが、実は去年9月、大阪府と結んだ協定により、開業に向けて条件が整わない場合に、違約金なしで撤退できる「解除権」を与えられました。

 万博開催期間中に工事ができないことで、IR事業者側が開業へのリスクを懸念し「解除権」を行使した場合、IR事業自体が白紙に戻りかねない事態となっていました。

 大阪府・吉村洋文知事
「どちら(万博・IR)も成功させる意味では、着地点を見いだしていくことが重要だと思う」

 そんな中、10日、大阪府・市などは万博側にも理解を得たとして、会期中のIR工事について発表。来場者が多く見込まれる時期に工事を休む日を増やすなどして、実施することが明らかにされました。

 大阪府・吉村洋文知事
「実際、万博会場内は博物館の中にいるぐらいの音。そんなに騒音というほどではない。(理解を得るまで)簡単ではなかったが、みんなが合意できるところまできたのはよかった」

 これを受けて業者側も「解除権」の放棄を発表。2030年秋の開業に向けての工事が進むことが確実となったのです。

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