「本当の闘いはこれから」脳障害の男性が死亡前日に自宅売却?不動産契約は“違法”と会社側に賠償命令

「本当の闘いはこれから」脳障害の男性が死亡前日に自宅売却?不動産契約は“違法”と会社側に賠償命令

「本当の闘いはこれから」脳障害の男性が死亡前日に自宅売却?不動産契約は“違法”と会社側に賠償命令

 脳障害を負った男性に自宅の売買契約を結ばせたのは違法だと遺族が訴えた裁判で、不動産会社側に賠償が命じられました。

 弟の重い障害につけ込んだ、不当な不動産契約ではないのか。兄が起こした裁判は30日、判決を迎えました。

 亡くなった発秀さんの兄・柳 南秀さん
「本当にやっと きょうが来たかという思いです。相手にはすごい憤りを感じています」

 これまでの裁判などで明らかになったのは、いくつもの不可解な点です。

 柳南秀さんの弟、発秀さんは、7年前の交通事故で重い脳障害を負い、記憶力や認知機能が低下していました。

 事故から5年後、家族と疎遠になり一人暮らしをしていた発秀さんは病気により死亡。

 ただ、亡くなっていたのは、自宅とは別の見知らぬ集合住宅の一室でした。

 自宅は、その集合住宅を所有していた大阪市内の不動産会社に約2200万円で売却され、発秀さんが亡くなる「前日」が契約日になっていました。

 亡くなった発秀さんの兄・柳 南秀さん
「(弟は)病院の写真を見る限りは、顔にアザがあったり、この辺にアザがあったり、糞尿たれ流したり、とてもじゃないけど売買契約を結べる状態ではなかったと思います」

 契約書には直筆の署名はなく、押されていた実印も遺品から見つかりませんでした。

 さらに、売却代金の入金履歴がない事などを不審に思った兄の柳さんは、判断力の低下につけこんだ不当な契約だとして賠償を求めて提訴。不動産会社側は争う姿勢を示していました。

 これまでの裁判で会社側は、発秀さんは社員に対し2200万円の借金があり、自宅の売却代金は返済にあてられたなどと説明。

 ただ、その社員にも、そもそも2000万円以上の借金があり、「金を貸した」という証言は不可解なものでした。

 裁判官
「借金は返せなかったのに、なぜ発秀さんに金を貸すことが できたのですか?」

 不動産会社の社員
「分かりません」

 証言台に立った社長の説明も疑問が残るものでした。

 裁判官
「契約書に署名がないのはなぜですか?」

 不動産会社 社長
「(発秀さんに)『書くのが面倒』だと言われました」

 そして迎えたきょうの判決。

 大阪地裁
「契約書に署名がなく、遺品から実印や契約書の写しが見つからないことなどから、契約書は発秀さんの死亡後に作成された疑いが強い」

 さらに、大阪地裁は「不動産会社の社長が、理解力が低下していた発秀さんの印鑑登録カードなどを持ち出すのは容易で、意思に基づかない契約だった」などとして、会社側に2150万円を支払うよう命じました。

 亡くなった発秀さんの兄・柳 南秀さん
「非常に今回の判決に関しては納得しております。(私が)大人になって弟に接していれば、疎遠になることもなかったですし、本当に申し訳なかった。弔い合戦ではないが、無念を晴らしてあげたい。本当の闘いはこれからだと思います」

 南秀さんは今後、刑事告発なども検討するとしています。

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