「コーチの倫理・哲学…協会のチェック必要」専門家指摘　バトン元指導者が男子選手に強制わいせつ疑い

「コーチの倫理・哲学…協会のチェック必要」専門家指摘　バトン元指導者が男子選手に強制わいせつ疑い

　国際的なバトントワリングチームの元指導者の男が、男子選手にわいせつな行為をしたとして1日、送検されました。男はほかの選手にもわいせつな行為を行っていたとみられています。

　華やかな衣装を身にまとい、メンバーとともに笑顔で写真に写る男。国際的に活躍するバトントワリングチームの元指導者・小城桂馬容疑者（40）です。

　去年2月、京都市内の自宅で当時18歳の男子高校生に対し、わいせつな行為をした強制わいせつの疑いで1日、送検されました。

　小城容疑者と被害者は、バトントワリングチームの指導者と選手という関係で、被害者が3歳のころから家族ぐるみで付き合いがありました。

　小城容疑者はこの男子選手に対し、1か月ほどの間に、3回犯行に及んでいたことがこれまでの取材でわかっています。

　被害を受けた選手は、バトンに触れるだけで、じんましんが出るなどの体調不良を訴えており、現在も競技に復帰できていません。

　小城容疑者の逮捕を受け、読売テレビの取材に答えた被害者の両親は……。

　被害者の母親
　「信じられない気持ち。まさか自分の子がこんな目にあうなんて」
　被害者の父親
　「息子の人生はバトンとともにある。復帰のことを考えた場合、協会や関係者のことを考えて強く言いづらい部分もある」

　また、関係者によると、他の選手も小城容疑者から同様の性被害を受けていたとみられることがわかりました。

　行為を拒むと小城容疑者から指導を受けられなくなったり、試合に出場させてもらえなくなったりするなどの噂があったということです。

　指導者からのハラスメントについて、専門家はスポーツの現場特有の問題点を指摘します。

　大阪体育大学・土屋裕睦 教授
　「強い絆というか師弟関係で結ばれていて、場合によっては本当に兄弟以上の深いつながりができたりするわけです。そういう特別な場なので、新しい時代に沿うようなコーチの倫理・哲学を更新しているコーチかどうかを協会がチェックしていくことが、今後は必要かと思う」
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