高校の剣道部顧問「居合道」を日本刀で無許可指導 刀が生徒の太ももに刺さり深さ３センチのケガ
5日、奈良県生駒市の県立高校で剣道部の顧問の男性が日本刀を使って指導を行い、生徒にケガをさせていたことが分かりました。いったい何が。
事故が起きたのは、奈良県立生駒高校。
5日行われた剣道部と空手部の合同練習で、あろうことか日本刀で生徒がケガをするという事故が起きました。
当時、講師3人と生徒28人がこの場に居合わせ「居合道」の演武と刀の抜き方などの講義が行われていました。
石川千智記者
「講師は許可を得ず日本刀を持ち込み、防御方法を教える際に事故が起きたということです」
顧問の70歳の男性講師と生徒が向かい合う形で指導するなか、男性が持っていた刃渡り74.4センチの日本刀が生徒の太ももに刺さり、深さ3センチほどのケガを負いました。
講師の男性は、居合道6段の有段者で日本刀の所持も認められていました。
前代未聞の今回の事故。居合道の関係者は、どうみているのでしょうか。
勇進舘 初代宗家 瀬戸天勇宏俊さん
「おかしいね。指導するのは離れて、本人がやっているのを先生が近づいていくだけやもんね。私の場合は手で指導する」
日本刀を使った指導については。
勇進舘 初代宗家 瀬戸天勇宏俊さん
「絶対使わない、真剣は。日本刀の研いだよく切れる刀で相手を教えるというのはちょっと考えられない。真剣でやったらケガするのわかっているから」
今回の事故について奈良県教育委員会は、法的に日本刀の所持が認められていても、学校に持ち込むことが禁止されていないことが一番の問題だったとしています。
奈良県教育委員会・吉田育弘教育長
「我々がダメであるという常識が通じずに、居合道の世界ではそれ（日本刀）を使う。我々の規定が不足していた。子どもに申し訳ない気持ちでいっぱいです」
奈良県立生駒高校・嶋岡浩三校長
「教育活動の中で生徒がケガをしたことについて深く受け止めております。（教育委員会が）新しく出される規定に従って、二度とこのようなことが再発しないように学校運営をしっかり務めていきたい」
一歩間違えば、命の危険すらある日本刀での事故。
奈良県は今後、教員が刀や銃を持つことを違反とし、今週中にも処分の規定を改正するということです。
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