取り残された牛…断水で搾乳できず「乳牛諦める」 孤立した牧場では牛舎倒壊で #shorts
能登半島地震では、住民が避難した集落に取り残された牛が、崩れた牛舎で死を待つしかない状況になっています。この窮状を訴える牧場主を取材しました。
■「断水で搾乳できない」乳牛諦める決心も
松田さんには、妻と3人の子どもがいますが、地震発生時は、珠洲市から100キロ以上離れた金沢市の自宅にいたため、無事でした。
牧場の従業員も全員無事が確認されましたが、3人が被災し避難しています。
牧場がある唐笠町は、住民がほとんど避難し、現在は、松田さんを含め牧場で牛の世話を続ける3人が残っているだけです。
松田さん
「ここでは僕だけが」
「(Q.1人で?)はい、生活しています」
「電気が来たので、エアコンが動くし、石油ストーブもあるし。お風呂も何とか湧き水を沸かして入ったり、ドラム缶風呂に入ったり…」
震災後は牛舎の横にある事務所で寝泊まりしているという松田さん。停電は解消されましたが、何よりも大変なのは、水が使えないことだといいます。
松田さん
「今は断水状態で、水が全然来るめどが立たないので、搾乳ができない。パイプとか、牛乳をためるタンクを洗浄するのにきれいな水が必要。搾乳の前も搾乳後も(洗浄)しなければいけない」
「(Q.かなりの量が必要?)一日400リットルとか」
3年前には、こう話していました。
松田さん
「(Q.すごい。もうこれでミルクとれている)(1頭あたり)30リットル平均ぐらい。ホルスタインは牛乳を生産する牛、黒毛和牛は牛肉を生産する牛だが、どちらも相場の上下があり、相場に経営を振り回されたくなくて、どちらも飼っている」
しかし、乳牛は大量の水が必要なことに加え、病気を防ぐための毎日の搾乳など負担が大きく、松田さんは「乳牛を諦める」決心をしているといいます。
松田さん
「黒毛和牛を30頭減らすのか、牛乳の出荷めどが立たない搾乳牛(乳牛)を30頭減らすか、どちらかの選択をしなければいけない状態で。それだったら、搾乳牛(乳牛)を販売する(手放す)しかないのかな」
ところが、乳牛を手放そうにも業者が来られない状況。それでも、こう話します。
松田さん
「まずは人が、従業員が無事で良かった。その次に牛も無事で、本当に良かったと思った」
(「グッド!モーニング」2024年1月24日放送分より)/a>
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