元患者らへ支援の動き『オンラインサロン』3月開設 院長の妹も参加 北新地放火事件(2022年3月7日)
大阪・北新地で起きた放火殺人事件、犠牲者は26人となりました。一方で元患者らの支援も始まっています。
去年12月、北新地のビル内の心療内科クリニックが放火された事件では、25人が死亡。30代の女性が重体となり治療を受けていましたが、3月7日の午前0時半ごろ、死亡しました。
警察によりますと、亡くなったのは高槻市の地方公務員の女性(31)だということです。死因は一酸化炭素中毒による蘇生後脳症だということです。
放火と殺人の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)も死亡していて、警察は今後、容疑者死亡のまま書類送検する方針です。
事件をめぐっては、クリニックに通っていた患者らを支援しようという動きも出ています。3月から開設された「オンラインサロン」です。患者らが、悩みや情報を共有できる場をつくろうと設立されました。
(サロンを設立した『障害者ドットコム』代表取締役 川田祐一さん)
「今回の事件を受けて『クリニックに通うのが怖くなった』とか、この事件で傷ついた人とかもいっぱいいて。悩みとか不安とかをシェアして、話し合って繋がれる場を作りたいなと思って」
オンラインサロンの運営には、亡くなったクリニックの院長・西澤弘太郎さん(49)の妹も参加しています。「兄が担当していた患者らを支援したい」と、参加を決めたということで、「こうした取り組みを通して、皆が助け合って生きられる社会をつくっていけると私は思っています」と話しています。
(西澤弘太郎院長の妹)
「私は兄のことは引き継げないですけれども、何か手助けができればとはすごく思っています」
参加した元患者らは、オンラインサロンについて次のように話します。
(クリニックの元患者)
「こういう場というのは、本当にただただつながっているというか。皆さんが同じバックグラウンドを持っているという安心感(がある)」
「(容疑者が)やったこと自体は許されることではないと思っているんですけれども、そこ(クリニック)しか社会との接点がなかったこと自体が、そういう事件を生んでしまう温床になっていたのかなと思うと、孤立を少しでも減らすということはすごく大事だと思います」
事件から間もなく3か月。元患者への支援の輪が広がっています。
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