「避難所で眠れない」車庫で生活 九死に一生も…近付く限界 電源はハイブリッド車【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月18日)

「避難所で眠れない」車庫で生活 九死に一生も…近付く限界 電源はハイブリッド車【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月18日)

「避難所で眠れない」車庫で生活 九死に一生も…近付く限界 電源はハイブリッド車【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年1月18日)

 能登半島地震発生から2週間以上が経った石川県珠洲市では、今も自宅の車庫で生活を続ける家族がいます。この家族も受け継いできた伝統の七夕キリコ祭りが存続の危機に立たされています。 

■「避難所眠れない」倒壊に巻き込まれた親戚

 地震から2週間以上経った今も、大地震の爪痕が生々しく残る珠洲市。17日午後2時時点で、2567人が避難所生活を送っています。

避難所生活する住民
「津波が終わった後来たら、こんな状況だから。津波の威力ってすごいよ。住むところもない。今、避難所にいる」

 一方で、こんな家族とも出会いました。

濱久芳さん(69)
「うちは、まだ恵まれてるよ。コタツで暖をとって、寝てます」
「(Q.この場所は何に使われていた?)ここは車庫だった」
「(Q.今はここに?)寝泊まりしている」

 濱さん夫婦はハイブリッド車を電源として利用し、自宅の車庫に寝泊まりしています。

濱さん
「この車から電気がとれる。夜つないで、災害用に買ったのだけど、本当になるとは思わなかった」
「(Q.避難所もあるが、どうしてここに?)避難所はやっぱり人がしゃべったりとか、車で寝てたのですけど、やっぱり寝られない」

 プライバシーのない避難所や狭苦しい車中泊を経て、車庫での暮らしに落ち着いたといいますが、「限界が近い」と話します。

濱さん
「(Q.この生活になって、何日ほど経ったか?)2日からここへ来て、子どもや孫が全部で10人いたので、ここで2~3日暮らし。それから金沢に子どもと孫は帰ったのです」
「(Q.普段はどの辺りで寝ている?)そこと、ここと。あとはコタツと。コタツは夕飯食べる時だけ、足突っ込んでる。きのうは寒かった」
「(Q.どういうふうに暖をとる?)湯たんぽがあるから、足に入れて寝てます。こういう所で、いつまでも生活できないしね。週3~4日ならいいけど、風呂に入れないでしょ。洗濯できないしね」

 男性は地震当時、自宅で掃除をしていました。最初に揺れた直後に逃げたため、九死に一生を得ました。

濱さん
「これがまずドンッと倒れて、私の目の前でドンッと倒れて、ドシャーッと目の前に崩れてきた」

 子どもや孫が集まった正月。孫に会うのを楽しみにしていた親戚が、倒壊に巻き込まれました。

妻・喜代美さん(69)
「1日の10時ごろに、私たち(親戚宅)ここに来てるんです。 (親戚の)おばあちゃんがね、私らの孫にお年玉くれるって言って、『絶対来てやー』って言ったので。新年のあいさつで来たんです。みんなお年玉もらって、喜んで。それが最後。その数時間後です。本当に…」

 親戚の高齢女性とその息子が、家屋の下敷きとなり亡くなりました。

妻・喜代美さん
「とっても元気な93歳でしたよ。(好きなものは)大正琴、短歌。手は器用、何でも出来る人でした。つらいですね」

■日本遺産「キリコ祭り」津波で倉庫が破壊

 津波や地震による建物の倒壊で、多くの被害が出た宝立町。町の伝統文化も大きな打撃を受けました。

濱さん
「(Q.年賀状に写っているのは?)これが、うちの町内のキリコ」
「(Q.このキリコも?)流されたって言ってた」

 日本遺産にも登録されている伝統のキリコ祭り。13メートルもの高さがある灯籠(とうろう)を地元の人達が100人以上で担ぐ、能登の夏の風物詩です。

 地元の人が大切に保管してきたキリコ。動画の奥に写っているのが、地震前の倉庫ですが、津波の影響で倉庫は破壊され、4基のキリコが流されてしまいました。

地元住民
「お父さんが担いでいた姿を見て、僕も将来担げたらなと思っていた。担げる機会もないまま、こういう状態になってしまい、魂と言ったら過言かもしれないですけど、能登地方といえば『キリコ』みたいなところがありますからね。この先、また祭りされるようであれば、ぜひ見たいですし、子どもにも見せたい」

地元住民
「修復できるかどうか、みんなで支援できれば、支援してもらえれば、まだできる可能性はあるかもしれん」
「(Q.この町にとって、キリコ祭りは?)一番大事な感じやろうね。これで出来るようになれば、頑張ろうかと話になるとは思うけど」

■寄せられたメッセージに心打たれる酒造会社

 能登の祭りと切り離せないのが、酒です。

石川県 馳浩知事
「(奥能登にある酒造)11社あるうち全壊5社、半壊・一部倒壊6社。今期の酒造りは、断念する方針です」

 能登の酒造りも、地震で大きな危機に瀕しています。

桜田酒造 桜田博克代表
「店舗も事務所もあったんですけど、もう潰れちゃったという状況」

 100年以上の歴史を持つ櫻田酒造は、去年5月の地震で酒蔵が壊れ、修復したばかりでした。

桜田代表
「なんとか正月までに応急処置をしてくれってことで、なんとか大工さん忙しいなか頑張っていただいて。さあ正月明けから酒造りをしようかということで、準備をしていた。(酒蔵も)見事にですね、今はもう崩れちゃった」

 度重なる地震に一度は再開を断念しかけましたが、寄せられたメッセージに心を打たれたといいます。

桜田代表
「『再建したらいっぱい買うよ』とか、そんなメッセージも頂きました。『出来ることがあったら、手伝いに来るよ』とか、そんな温かい言葉をたくさん頂きまして、本当に感謝しています。『何とか前向きに再建に向けて頑張っていこう』と思うようになりましたので」

(「グッド!モーニング」2024年1月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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