被災者「今後のこと考えられない」いまだ見えぬ被害全容…能登半島地震発生から5日目【報道ステーション】(2024年1月5日)
能登半島地震発生から5日目。死者、そして安否不明者の数は日に日に増えていて、今回の災害が極めて実態の把握が難しいことを示しています。石川県珠洲市にいる大越健介キャスターと中継を結びます。
(Q.物資も情報も届きづらい厳しい状況になっていますね)
大越キャスター:「つい今しがた震度4の地震がありました。防災無線が注意喚起を呼び掛けています。ここで取材をしていると、能登半島特有の地理的な難しさを感じます。珠洲市は能登半島の突端に位置しています。取材をしていると、あちこちで道路や家が倒壊している姿を目にしました。特に瓦葺きの家が多かったように感じます。地形は非常に“山がち”で、土砂崩れが各地で起き、道路が寸断されていました。全国から警察や消防、自衛隊が珠洲市に入り、安全確認や道路の補修に努めた結果、徐行しながらではありますが、物資を運ぶ車が通行できるようになったところも徐々に増えてきました。金沢から帰省中に被災したという男性は『ようやく少し希望が見えてきました』と話していて、印象的でした」
(Q.孤立集落も少しずつ解消に向かっていますか)
大越キャスター:「それは言えると思います。日本海側に面した大谷地区では、約500人の人が孤立していたということですが、先ほど、珠洲市中心部への道が通れるようになったという発表がありました。それに先立って、大谷地区から珠洲市役所まで、徒歩とヒッチハイクで4時間かけてたどり着いたという女性に話を聞くことができました。大谷地区の小中学校には多くの人が避難をしていますが、それ以外にも車中泊をする人や、家から動けずにいる人なども多かったということです。食料や水が不足し、携帯電話が全く通じない。そして、ガソリン不足によって、車中泊をしている人たちが暖をとれなくなっていると訴えていました。また、地面が隆起したせいなのか、普段は海の中に隠れているはずの岩肌がむき出しになっていると話していました。大きな地震と津波が地域の姿を大きく変えています」
(Q.地震も続いていて、避難生活の先も見えず、不安が募っているでしょうね)
大越キャスター:「地震が続いているのが、不安をあおっていると思います。私たちは4日に能登半島に入りましたが、少なくとも5~6回は、体に感じる地震がありました。漁港近くで会った83歳の女性は、倒壊した家を見に来ていたのですが、度重なる揺れの怖さを話していました。家を見に来たのは、1月1日の発災以降、2回目ということですが、前回見た時と、5日に見た時とでは、隣の家の壊れ方が全く違う。恐らく、その間に起きた地震によって、大きく壊れてしまったのではないかと、不安そうに話していました。今は近くの施設に避難しているという、この女性に『今後のことは考えられますか』と訪ねると、『それは無理です』と話していました。果ての見えない避難生活、相次ぐ地震と、珠洲市の人たちは、現在進行形の災害と戦っています」
■いまだ全容見えず…被害状況は
石川県によると、5日午後2時時点で、県全体で死者94人、行方不明1人、安否不明222人となっています。
輪島市では死者55人、行方不明は確認中、安否不明121人。
珠洲市では死者23人、行方不明1人、安否不明82人。
能登町では死者2人、安否不明13人
穴水町では、死者6人、安否不明6人。
七尾市では死者5人。
志賀町では死者2人。
羽咋市では死者1人。
生き埋めの情報について、全容は明らかになっていません。輪島市は「100件以上あると考えている」としていますが、具体的には確認ができていない状況です。
『行方不明』とは、災害に巻き込まれて死亡した疑いのある人のことです。珠洲市で1人が津波に流され捜索中ですが、この事案ということです。
安否不明者の一覧を石川県のホームページから閲覧することができます。これは住民基本台帳をもとに、自治体からの情報で作成しています。安否が分からない、つまり連絡が取れていない人を掲載しています。家族からの申し出や安否確認が取れた場合は、次の最新情報から非公表になります。県は、転居などで連絡がつかない人も載っている可能性もあるとしています。また、情報がない部分については空欄になっています。住所を見ると輪島市、珠洲市で連絡のつかない人が多くなっています。一覧の一番最後にある、黄色の欄は新たに追加された人です。
輪島市は、孤立集落についても全容が明らかになっていません。5日午後3時時点の情報によると、輪島市では14地区で孤立状態、人数は確認中です。
珠洲市では5日、数百人の孤立状態が解消したということですが、約90人が孤立状態で、別に8人を自衛隊が救出中という情報が入っています。
能登町では約41人が孤立状態で、そのほか人数確認中の地区もあるということです。
穴水町では約20人が孤立状態です。
孤立の原因となっている道路の寸断状況は、5日午後2時現在、39路線、89カ所で通行止めとなっています。
石川県が公開している『石川みち情報ネット』では、通行止めや片側交互通行の区間が分かるようになっています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く