「日本のモノづくりへの信頼感を損ねる事態」ダイハツ不正問題、各所に不安広がる「ユーザーは敏感」_12/21

「日本のモノづくりへの信頼感を損ねる事態」ダイハツ不正問題、各所に不安広がる「ユーザーは敏感」_12/21

「日本のモノづくりへの信頼感を損ねる事態」ダイハツ不正問題、各所に不安広がる「ユーザーは敏感」_12/21

中野颯大記者
「午前9時前です。国土交通省の職員が、大阪府池田市にあるダイハツの本社へ立ち入り調査に入ります」

 国内外で手掛けるすべての車種を出荷停止に。極めて異例の事態に発展し、国の立ち入り検査を招いたダイハツ工業の大規模な不正は、なぜ起きたのでしょうか。

ダイハツ工業広報・井出慶太部長
「お客様の信頼を裏切ることになりましたこと、改めて深くおわび申し上げます。申し訳ございませんでした。日本のモノづくりに対しての信頼感を損ねる事態と受け止めている」

 これまでに発覚していた2つの不正に加え、新たに見つかった不正行為は174件。30年以上前からはびこっていたといいます。

ダイハツ工業・奥平総一郎社長
「誠に申し訳ございませんでした」

 今回、浮き彫りになったのは、行き過ぎた「短期開発」を重視する社内風土です。ダイハツの調査を行った第三者委員会は20日…。

第三者委員会・貝阿弥誠委員長
「認証試験は合格して当たり前、不合格となって開発・販売スケジュールを変更するのはあり得ないという考えが強く、そのことが原因。“社風”として深く根付いている可能性がある」

 不正の原因について、過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャーがあったためとしました。

 調査の中で行った従業員へのアンケートには、短期日程で生じた「ひずみ」がにじんでいました。

ダイハツ従業員(第三者委の調査アンケートによる)
「根本にあるのはギリギリの短期開発日程。綱渡り日程でミスが許されない。すべて失敗なく、1回でパスしないといけない日程設定により、担当者らの相当なプレッシャーがあった」

 これは、国交省が独立行政法人に依頼した安全性能テストの映像。ダイハツ側が行った試験の際には、次のような不正があったと第三者委員会は指摘します。

◎サイドエアバッグなどの試験で本来、自動で作動させるところ、「タイマー」で作動させていた。
◎助手席のヘッドレストの衝撃試験の結果を運転席の試験結果に流用し、ウソの数値を記載。

 こうした不正が25の試験項目で起きていたということです。

 軽自動車の国内販売でトップを誇るダイハツ工業。

中古軽自動車を販売「Kプロデュースナイス」小倉将太部長
「ダイハツのタント、(柱がない)ピラーレスで、お子さま連れのご家庭でしたら乗り降りもしやすい、売れ筋の車種」

 ファミリー層にも人気があるメーカーの安全への背信行為に、販売現場からは…。

Kプロデュースナイス・小倉将太部長
「(ユーザーは)不正に対し、非常に敏感になっていると思うので、ユーザが買い求める車種が絞られるのではないか」

 20日の会見で、ダイハツ側は短期間での開発を追求する経営方針を修正する意向を示しました。また、現時点で安全性に問題があったとする報告は上がってきていないとしています。

ダイハツ工業・奥平社長
「社内での検証ではございますが、安心して乗り続けていただいて問題のある事象は生まれてきませんでした。今まで通り、安心して乗っていただければと強く思っています」

 しかし、専門家は。

企業不正に詳しい、芝浦工業大学大学院・安岡孝司元教授
「衝突安全試験での不正ですから、ドライバーとしては非常に不安だなと思いますし、全車種出荷停止になってしまったのは国交省の判断ですから、それと相いれない説明になっていて、その説明をユーザーが納得できるかは疑問」

 国交省は21日立ち入り検査をした結果も踏まえ、行政処分を検討するとしています。

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