衰退傾向の「芸者」文化を残す…かつて栄えた“都内”で活動 お座敷ライブハウスも【ワイド!スクランブル】(2023年12月18日)

衰退傾向の「芸者」文化を残す…かつて栄えた“都内”で活動 お座敷ライブハウスも【ワイド!スクランブル】(2023年12月18日)

衰退傾向の「芸者」文化を残す…かつて栄えた“都内”で活動 お座敷ライブハウスも【ワイド!スクランブル】(2023年12月18日)

 海外では日本を代表するイメージのある芸者が今、料亭の減少や後継者不足などの問題で衰退傾向にある。この日本の伝統文化を再び盛り上げるため、活動する人たちを取材した。

■初の公式キャラ「芸者ちゃん」 なぜ?

 ラメ入りの着物姿に日本髪、八の字まゆで軽やかに踊るのは、東京・豊島区大塚の三業通り商店街に誕生した、初めての公式キャラクター「芸者ちゃん」だ。

 一体なぜ、芸者がモチーフなのか?

 上州屋 山口誠一郎さん:「僕が聞くところによると、芸者さんは500人ぐらい在籍されていたと…」

 かつては新橋、柳橋と並んで芸者の街として栄えていた大塚。昭和20年代には500人ほどの芸者がいたという。

 しかし、時代の移り変わりによって多くの料亭が店をたたみ、現役で活動する大塚芸者は、いく代さん、ただ1人となっている。

 大塚芸者 いく代さん:「寂しいなとは思いますけど、仕方がないですよね。これだけ料亭がなくなっているなかで…」

 大塚うなぎ宮川 八馬淳子さん:「彼女がいなくなったら、大塚から火が消えちゃうもんね。貴重なんです」

 いく代さん:「絶滅危惧種っていう」

 大塚芸者の文化をもう一度盛り上げるため、芸者ちゃんは地元のイベントに出演したり、SNSでピアノやアコーディオンを演奏するなど情報発信をしている。

 大塚三業通り商店街 田中浩子さん:「これ(芸者ちゃん)を先に知ってもらって、何だろうなって街に来てもらうのも1つありかなと思っている」

■新宿・荒木町では“お座敷ライブ”

 東京の芸者文化の灯を絶やすまいと新宿・荒木町で新たな取り組みを始めた女性がいる。

 お座敷ライブハウス津の守 塩見ふみ枝さん:「こんな場所を作って大丈夫だろうかと、ドキドキしながら作ったんですけれども」

 新宿御苑にほど近い荒木町も、かつては芸者の街として栄えた場所だ。

 その荒木町のビルの3階にあるのが、今年4月にオープンしたお座敷ライブハウス津の守だ。元赤坂芸者の塩見ふみ枝さんが出迎えてくれた。

 塩見さん:「会場はお座敷になっており、お食事をしながら舞台が見られるようになっていますので、お座敷ライブハウスと呼んでいます」

 広さ20畳の座敷に8畳の舞台。第一線で活躍する芸者の三味線や踊りが解説付きで楽しめる「芸者Night」は毎月行われ、料金は1万6500円となっている。

■今後は外国人観光客向けにも対応

 塩見さんは大学卒業後、広告業界でイベントの企画運営をしていた。

 日本文化が好きで、三味線教室などで芸者さんと親しくなり、40歳を過ぎて赤坂で芸者となった。

 塩見さん:「大変でした。もう本当に大変で。中身が全然ないものですから、とてもたくさんお稽古をして、人の何倍もお稽古をして、一緒にお座敷に出る先輩方に迷惑をかけないようにと」

 しかし、活動の場である料亭が年々少なくなっていることに危機感を抱き、さらにコロナ禍で呼ばれる機会が減ったことで去年、芸者を辞め、お座敷ライブハウスの開業に取りかかった。

 塩見さん:「資金もかかるし大変だったんですけれども。作る時にクラウドファンディングをお願いしまして。ここの資金の半分ぐらいは、その方たちの応援でまかなうことができました」

 コロナ禍が収束し、外国人観光客が日本に押し寄せるなか、塩見さんは今後、外国人観光客向けのイベントにも力を入れていきたいという。

 塩見さん:「海外の方は、なかなか情報が行き届かなくて。芸者は京都にしかないと思っていらっしゃるので。東京にも芸者がいるということを、これからですね、アピールして。少しでも知っていただければと思っています」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年12月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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