岸田派もパー券収入を過少記載？ 「鉄壁の守り」松野官房長官も交代へ 政治資金問題【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年12月13日)
自民党安倍派の裏金疑惑を受け、岸田総理大臣が14日にも安倍派に所属する閣僚4人を交代させる意向を固めた。こうしたなか、岸田派にもパーティー収入を実際よりも少なく記載していた疑惑が浮上した。
■“キックバックを受けた”安倍派議員の証言
岸田総理：「しっかりと調査をし、そして当局に対しても、丁寧に説明を行い、そして修正すべき箇所があるならば、適切に対応する。このように指示をしてきました」
新たに明らかになった岸田派の過少記載疑惑を巡り、自民党安倍派の世耕弘成参院幹事長は「宏池会（岸田派）でも問題が指摘されるのであれば、しっかり精査のうえ、対応していくことが重要だと思います」と述べ、岸田派もしっかり精査して対応すべきと主張した。
裏金疑惑が次々に浮上するなか、“実際にキックバックを受けた”という安倍派現職議員からは「うちの秘書たちは、先週は何度も検察に呼ばれた」という声も聞かれた。
政治資金パーティーでの販売ノルマを超えた収入の不記載は慣例だったという。
安倍派現役議員：「当選した最初のころ『政治資金収支報告書に記載しなくていい』と言われた。そんなもんかと思いながらも、みんなやっていたから、そのままにしておいた。ただ、どこかで『いいのかな』という思いがあり、一銭も使わず金庫にしまっておいた」
安倍派については、記載のないキックバックの総額は去年までの5年間でおよそ5億円に上るとみられる。
■谷川議員 報道陣の厳しい質問に沈黙も
一人でおよそ4000万円のキックバックを受け、収支報告書に記載していなかった疑惑がある安倍派の谷川弥一衆院議員（82）、報道陣の前で見せた“逆ギレ”が批判を浴びている。
谷川議員（10日）：「だから、今言った通りって言ってるでしょ。今言った通り。まあいいです、その通り。何を言っても、その通りってこと。頭悪いね、言ってるじゃないの。質問してもこれ以上きょうは言いませんって言ってるじゃない。分からない？いいですか？」
2016年、国会で質問に立った谷川議員の持ち時間は38分だったが、30分ほどで質疑が終了。すると、「時間が余った」となどと言い、本来のテーマとは無関係の演説がスタートした。
谷川議員：「一応、質問は終わったんですが、あまりにも時間が余っているので、地元のことを一点、最後に私見を述べて終わります」
さらに、谷川議員は般若心経を唱え、自らの宗教観を語った。
谷川議員：「私は禅宗なので禅の勉強を40の記念に3年やったのですが、般若心経というのがあるんです。観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄」
周りの議員もこれには苦笑い。それでも時間が余り、今度は「夏目漱石が好きだ」と言い、意気揚々とお気に入りの作品を紹介した。
谷川議員：「私は文部副大臣の時に、夏目漱石を読んだことのある人は『俺と語ろう』『来いよ』と言って手をあげさせたけど、誰も来ませんでした。『最近の文部省というのは、漱石も読んでないのかよ』と思ったのですが」
この行動に、野党からは「国会軽視だ」という批判の声が上がった。
谷川議員は12日、国会に姿を見せたが、記者から「国民に対して、頭が悪いと言っているのと同じではないですか？説明責任果たしてないですよね？」との質問があったが、疑惑に対しての説明はなかった。
■松野官房長官が語った政治家としての信条
松野博一官房長官に対する不信任決議案が審議された12日の衆院本会議で、深く目をつむり、うつむく谷川議員。同じく裏金疑惑がもたれている安倍派の塩谷座長、萩生田政調会長も目を深くつむり、お疲れの様子だった。
不信任決議案は自民・公明両党などの反対多数で否決されたが、連立を組む公明党からは厳しい言葉が出た。
公明党・山口那津男代表：「今、既に取り沙汰されていることが不問に付されるということではありません。つまり、否決したから即信任したと同じ評価をするべきではないと思います」
12日、当の松野官房長官は「これまでも申し上げてきた通り、派閥において事実確認がされている最中であり、適切に対応していきたい」と述べ、これまでと同様の答弁を繰り返した。
6日、政治ジャーナリスト・田崎史郎氏は「松野さんは派内でついているあだ名は『アルマジロ』ってあだ名なんです。つまり、攻撃されるとぐるっと丸くなるでしょ。同じで、防御に非常に強い人なんです」「（Q.今は防御態勢？）防御態勢」と指摘していた。
これまでの政治家人生で、鉄壁の守りを誇ってきたという松野官房長官。
松野官房長官（2017年）：「文科省として真摯にお答えをしてきたつもりでございますけれども」「文科省として真摯にお答えをしてきたつもりでありますが」
2017年、加計学園問題に揺れるなか、文部科学大臣を務めていた松野官房長官はこの時も同じ文言の答弁を繰り返し、追及をかわしていた。
松野官房長官は政治家としての信条を「政治家の最後はスキャンダルがないやつが勝つ」と語っていた。
その言葉通り、大きなスキャンダルなく、官房長官に。しかし今、その地位は失われようとしている。
（「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年12月13日放送分より）
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