ウクライナ外相「ロシアが南部原発を全方位から攻撃、火災発生」 「爆発すればチェルノブイリ10倍の被害」
2回目の停戦交渉終了の数時間後、原発が攻撃されました。ウクライナの外相は、南部のザポロジエ原発がロシアの砲撃を受け、火災が発生していると明らかにしました。
上空から落ちてくる光の玉。これはウクライナ南部のザポロジエ原発の映像です。
ウクライナのクレバ外相によると、全方位からロシア軍の砲撃を受け、原発で火災が発生しているということです。ザポロジエ原発はヨーロッパ最大級の原発とされ、クレバ外相は「もし爆発すればチェルノブイリの10倍の被害が出る」としてロシア側に直ちに攻撃を止めるよう訴えています。
IAEA=国際原子力機関は「原発の放射線レベルに変化は報告されていない」としています。
ロシア軍の攻撃による被害は拡大しています。北部チェルニヒウでは、学校や集合住宅が空爆にさらされ、33人が死亡したとされるほか、首都キエフの北東およそ60キロにある町でも戦闘があったことがうかがえます。またロシア国防省は、人口およそ30万人の南部の都市ヘルソンの制圧を発表しています。
ロシア プーチン大統領
「軍事作戦は計画通りに進んでおり、任務は順調に遂行されている」
プーチン大統領は、3日に行われた安全保障会議で、ウクライナへの侵攻について「順調だ」と発言、「ロシア人とウクライナ人は一つの民族であるという信念は決して捨てない」と強調しました。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、プーチン大統領に対話を呼びかけています。
ロシアとウクライナによる停戦交渉では、ロシアメディアによりますと、両国は市民が避難するための「人道回廊」を設置することで合意。避難が行われている間は一時的に停戦することもありえるとしています。ロシア側は「いくつかの点で理解が得られた」とした一方、ウクライナ側は「我々が求める結果は得られていない」としていて、3回目の交渉も近く開催されるとみられますが楽観視はできません。
こうしたなか、ロシアの侵攻以降、ウクライナから隣国ポーランドに渡った人は60万人を超えました。
記者
「こちらは小学校の体育館ですが、中にベッドをいっぱいに敷き詰めて、避難者を受け入れています」
子どもと避難した女性
「ウクライナで起きている戦争で…親戚や両親、夫はまだ危険の中にいます」
子ども
「プーチンが国を壊してしまって、何もなくなってしまうのが怖い」
ポーランド政府は、主要都市での一部の交通機関の利用や民間医療施設での受診を無料にするなど、受け入れ態勢が強化されています。
(04日11:25)
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