「お答え控える」「精査」連発…松野氏・世耕氏・高木氏に1000万円超か(2023年12月8日)

「お答え控える」「精査」連発…松野氏・世耕氏・高木氏に1000万円超か(2023年12月8日)

「お答え控える」「精査」連発…松野氏・世耕氏・高木氏に1000万円超か(2023年12月8日)

安倍派に浮上している裏金問題。5人衆と呼ばれる派閥幹部のうち、松野官房長官、世耕参議院幹事長、高木国会対策委員長の3人に新たな疑惑が浮上しました。それぞれ5年で1000万円を超えるキックバックがあり、収支報告書にも記載されていない疑いがあります。

3人は、キックバックを受け取ったことを明確には否定しない一方で、説明を避け続けてきました。
松野博一官房長官:「精査して適切に対応してまいりたい」
世耕弘成参院幹事長:(Q.自身の政治資金管理団体についてキックバックはなかった)私自身の政治団体についても、しっかり精査してまいりたい
高木毅国対委員長(4日):「これから慎重に事実関係を確認して適切に対応していきたい」

8日夜、岸田総理は、こう述べました。
岸田総理:「(Q.(自民党の)世耕参院幹事長、高木国対委員長にも1000万円以上のキックバックを受け、収支報告書への掲載をしていなかったとの一部報道について)報道を私も見ていないので、答える材料がありません。基本的には、本日、国会でお答えいたしました。報道については確認します」

その国会で、集中砲火を受けたのは、松野官房長官です。
立憲民主党・蓮舫参院議員:「答えられない事情があるんですか」
松野博一官房長官:「政府の立場としては、お答えは差し控えるべきであると認識」

松野官房長官の手元には「自らの進退はどうするのか」など、あらかじめ想定したと思われる質問の数々。紙を読み上げて応答する戦略のようです。質疑前には、メモを読みこむ姿や、読み上げる箇所をアドバイスされる場面もありましたが、結局、返ってくるのは同じ答弁ばかりです。

立憲民主党・枝野幸男衆院議員:「政治資金の取り扱いについて聞いてるんだから、精査の必要はありません。お答えください」
松野博一官房長官:「刑事告発がなされ、関連して捜査が行われているものと承知しており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても精査して適切に対応してまいりたい」
立憲民主党・枝野幸男衆院議員:「あなた自身が答えられることだし、あなた自身じゃなきゃ答えられない。お答えください」
松野博一官房長官:「繰り返しになりますけども、刑事告発がなされ、関連して捜査が行われているものと承知しており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても精査して適切に対応してまいりたい」

判で押したような答弁スタイルは、これが初めてではありません。“加計学園問題”に揺れた2017年、渦中の文科省で大臣を務めていたのも松野氏でした。“行政が公平に行われていたのか”疑いの目が向けられていましたが、「文科省として真摯にお答えをしてきたつもり」と繰り返しました。

松野氏は、サラリーマンを経て、松下政経塾から政界を目指したいわゆる“たたきあげ”で、座右の銘は『素直』。2021年から岸田政権で官房長官を務め、総理を支え、“黒子に徹するスタイル”を貫いてきました。

SNSには、こんな投稿もしています。松下幸之助氏が好んだ言葉の一つ『大忍』です。
松野氏のフェイスブックから:「一年ごとに身に染みる言葉です」

周囲には、小泉純一郎氏からの教えが政治信条になっていると語っています。
松野博一氏:「政策の勉強なんてするな、政局観が悪くなる。政治家の最後はスキャンダルがないやつが勝つ」

長年支援してきた地元の市議は、こう話します。
自民党・大曽根友三市議:「選挙でもそうだし、普段の付き合いでも非常に神経質なんですよ。領収書のやり取り、すごい几帳面にするし、今回の騒ぎは『うそ?』って感じ」

政権の屋台骨にも波及した疑惑。追及の矛先は岸田総理にも向かいます。
立憲民主党・石橋通宏参院議員:「『官房長官が1000万円の裏金』と記事に書かれた。松野官房長官に『説明責任を果たせ』と言われたんですか。事実関係を総理が松野官房長官に『説明せよ』と官房長官に言われましたか」
岸田総理:「説明責任を果たすことは大事だ。言うまでもないわけですが、官房長官とのやり取りを含め、具体的な案件について言及することが、今、行われている捜査に影響を与える恐れがある。だからこそ言及することは控えると申し上げております。これは言及することは控えなければならないと考えます」
立憲民主党・石橋通宏参院議員:「今の総理のご答弁聞くと、『答えるな』と、皆さん口裏合わせを、まさかされているんじゃないでしょうね」
岸田総理:「官房長官との間においては、さまざまな課題において意思疎通を図っております。しかし、そのやり取りを申し上げることは、捜査への影響の恐れがあるからして、控えると申し上げております」

立憲民主党・蓮舫参院議員:「当人は何も答えない。そして総理は、決めたのは『派閥パーティーの自粛』『自身が派閥の長を辞める』対応ずれすぎてませんか。ことは裏金疑惑なんです。しかも、その受け手が官房長官ではないかと言われている。更迭してくださいよ」
岸田総理:「捜査が行われているということであるならば、捜査に影響が出る恐れがあるということで発言を控えるのは、あるべき発言として、決して不都合ではない」

質疑を終えた蓮舫議員は、こう話しました。
立憲民主党・蓮舫参院議員:「(Q.総理は、松野官房長官について続投の意向を示していますが、松野官房長官の辞任について、どのように考えていますか)内閣の要ですからね。その方が、足元のお金の疑惑の解明ができなくて、消費増税とか防衛増税とか、あるいは社会保障の負担増とかは、この内閣ではできないと思います」

街の声です。
40代・看護師:「(Q.『答えを差し控える』を繰り返しているが)ほんとなんか卑怯って感じがしますよね。逃げているとしか思えない。差し控えて、どこまで差し控えるんだろうって」
60代・会社員:「ちょっと不誠実。政府自体の信用もなくなってくる」
30代・会社員:「政治の言葉を使われても、うちらわからないので、ちゃんと国民が納得して説明できる言葉を使ってほしい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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