殺虫剤効かぬ“スーパートコジラミ”日本でも相談急増 一度駆除しても…再発のワケ【もっと知りたい!】(2023年12月4日)

殺虫剤効かぬ“スーパートコジラミ”日本でも相談急増 一度駆除しても…再発のワケ【もっと知りたい!】(2023年12月4日)

殺虫剤効かぬ“スーパートコジラミ”日本でも相談急増 一度駆除しても…再発のワケ【もっと知りたい!】(2023年12月4日)

 海外で社会問題になっている吸血性の害虫「トコジラミ」の相談が、日本でも急増しています。殺虫剤が効かないトコジラミもいるようです。

■コロナが5類になった5月以降…相談も増加

 トコジラミ駆除業者:「少なくとも12匹います。ちょっとつつくと、小さいものもいます」

 フランスでは、トコジラミの目撃情報が相次いでいます。

 大発生している韓国では、トコジラミを意味する「ビンデ」と「パンデミック」を掛け合わせ、「ビンデミック」と呼ばれています。

 そもそもトコジラミとは、カメムシの一種で、体長は5ミリほど。日中は家具などの隙間に潜伏し、夜になると人の血を吸います。強いかゆみに襲われるのが特徴です。

 そして、日本でも…。

 日本衛生動物学会 会長 兵庫医科大学皮膚科学 夏秋優教授:「海外からたくさん人が来て、人の移動もより盛んに戻ってきたので。(コロナが5類になった)5月以降、一気にトコジラミが増えている印象」

 トコジラミは20年ほど前から日本でも増え続けていました。コロナ禍でいったん減少しますが、今年、人の流れが戻るのに伴い、トコジラミの相談件数も増加しました。

■殺虫剤が効かない…“スーパートコジラミ”

 海外からの通販で届いた商品にも、トコジラミが付いていたという報告もあります。

 海外から入ってきたトコジラミには、一つ特徴があるといいます。

 駆除業者 クリーンボーイ大阪 今西智洋さん:「薬剤が効かない現場が増えてきている。トコジラミ=薬剤に耐性が付いて効かないやつは、“スーパートコジラミ”という認識」

 市販の殺虫剤が効かない“スーパートコジラミ”が急増。さらに、これを超える存在のトコジラミもいるといいます。

 今西さん:「スーパートコジラミを超した熱帯トコジラミが出てきているので、沖縄なんかもそうです。熱帯トコジラミが今どんどん北上してきて、近畿とかで出ている。そうなってくると本当に物理的な施工を入れない限り、完全駆除が難しくなってくる」

 業者用の殺虫剤が効かない“熱帯トコジラミ”までいるといいます。一体、どんな場所に現れるのでしょうか?

 今西さん:「ホテルや旅館、ビジネスホテルに限らず、宿泊施設。高級なものから高級じゃないもの関係なく一番多い」

■海外に行ってないのに…どこから侵入?

 宿泊施設に行かなければ問題ない…という訳ではありません。

 都内のマンションで暮らす4人家族を取材しました。7月以降、家族3人が寝ている時、トコジラミに足や腕などを立て続けに刺され、9月に駆除したといいます。

 家族は誰も海外に行っていません。一体、どこから侵入してきたのでしょうか?

 トコジラミ駆除の依頼者:「同僚のご主人が出張から帰ってきて、そこでトコジラミが出てすごい大変な思いをしたから、それかもしれないと言われて」「(Q.出張は海外?)韓国と言ってました。5月ぐらいに出張に行かれて、後々考えてみると、そこからもらってきてもおかしくないかなと思う」

■一度駆除しても…卵がかえって潜伏も

 一度、駆除したはずでしたが、数日前…。

 トコジラミ駆除の依頼者:「ここら辺に。このマットの間から出ました。ワーッと出てきて、歩いているところを子どもが発見」

 2日に再び害虫駆除業者を呼んでみると…。

 クリーン計画プロープル 引田徹施工部長:「血糞(けっぷん)の跡ですね」

 「血糞」とは、トコジラミが血を吸った後などに残されるもので、潜伏している目印になります。

 引田施工部長:「これ多分そうだな。これとこれが脱皮した痕。1回の卵(を産むの)が一日に5個から6個。生涯に300から500個卵を産むと言われているので。1匹殺しても安心できない」

 卵がかえるのは2週間前後。その直後から注意は必要だといいます。

 引田施工部長:「脱皮を繰り返して成虫になっていくが、幼虫であろうが成虫であろうが関係なく血を吸う。基本的に餌(えさ)がなくても最後に血を吸ってから、だいたい半年から1年の間は生き続けられる」

■業者「家に持ち込まないのが一番現実的」

 およそ100℃のスチームや殺虫剤を念入りに散布し、この日の作業を終えました。駆除費用は、この業者の場合、被害の程度などによっても異なりますが、1部屋およそ6万円です。

 引田施工部長:「(海外から)帰ってきた時に(衣類を)そのまま家に入れるのではなく、コインランドリーに持って行って、乾燥機に入れて、それから洗ってまた乾燥機にかけて。家に持ち込まないのが一番現実的かなと思う」

■冬は冬眠…“暖房効いた部屋”では活動も

 トコジラミに刺されたら、どうすればいいのでしょうか?

 夏秋教授:「炎症がかなり強くて、赤みとかゆみが強いので、ステロイドホルモンという炎症を鎮める有効成分を含んだ塗り薬を使っていただくのがいい」

 トコジラミは気温が20℃未満になると活動が弱まり冬は冬眠するそうですが、暖房が効いた部屋の中では活動するケースがあるので警戒が必要です。

(「グッド!モーニング」2023年12月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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