日産ゴーン元会長の元側近ケリー被告に猶予付き有罪判決も大半は無罪
日産の元会長、ゴーン被告が、保釈中に海外逃亡し、主役不在のまま続いていた裁判で、きょう、側近のケリー被告に有罪判決が言い渡されました。一方で、起訴内容の大半は無罪となっています。
3年前、東京拘置所から保釈されたゴーン被告。待ち受ける報道陣の意表を突き、工事作業員に扮して業務用の軽ワゴン車に乗り込み拘置所を後にしました。そして、この9ヶ月後、滞在先のホテルから楽器ケースに身を隠してプライベートジェットに乗り込みレバノンへと逃亡していました。
裁判を受けることなく、海外に逃れたゴーン被告。1人残されたのが・・・
日産元代表取締役 グレゴリー・ケリー被告
「私はゴーン被告の共犯ではありません」
ゴーン被告の側近で日産自動車の元代表取締役、ケリー被告です。ゴーン被告と共に逮捕起訴され、ゴーン被告の役員報酬について、有価証券報告書に91億円余り少なく記載した罪に問われていました。
カルロス・ゴーン被告
「彼は無罪。事件は、でっちあげだ。ケリー被告は被害者だ」
主役のゴーン被告が不在のまま、1年半に渡って続いた裁判で無罪を主張してきたケリー被告。
今日の判決を前にきのう、JNNの取材に対し・・・
ケリー被告(JNNに対し)
「ゴーン被告が裁判に出廷していれば私が無罪であることを証言してくれたでしょうから、その点は残念です」
60回以上開かれた裁判には、日産の西川前社長や志賀・元COOのほか、検察と司法取引をしたとされる幹部らが証人として出廷。検察側の主張に沿った証言を繰り広げました。
そして迎えた、きょうの判決。
裁判長
「主文、被告人を懲役6か月、執行猶予3年に処する」
争点となっていたのは、ゴーン被告に有価証券報告書に記載された報酬以外にも「将来支払われるはずの報酬」があったかどうか。東京地裁は、そうした報酬が「存在した」としてケリー被告に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。一方で起訴の対象となっていた8年分の報酬のうち7年分については、無罪としたのです。
今回の判決で考慮されたのは、検察と「司法取引」をした日産元幹部らの証言。
裁判長
「有利な計らいを受けたいとの思いから、検察側の意向に沿うような供述をしてしまう危険性をはらんでいる」
東京地裁は、元秘書室長の証言の信用性を一部否定。他の客観的な証拠や第三者の証言などから結論を導きました。そして、法人としての日産に対しては、罰金2億円を言い渡しました。
判決を受け、ケリー被告は改めて無罪を主張し、控訴する姿勢を示しています。
(03日17:54)
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