ロシア軍侵攻から1週間 ウクライナ民間人2000人超死亡か
ウクライナ情勢です。ロシア軍侵攻から1週間。民間人への攻撃も激しさを増していて、ウクライナ当局はこれまでに2000人以上が死亡したと明らかにしました。
ウクライナ第2の都市ハリコフ。2日、警察署がロシア軍の攻撃を受けて炎上し、建物の一部が崩壊。数少ない消防隊が消火活動にあたりました。ハリコフは、ロシア軍の激しい攻撃にさらされていて、住宅地も標的となっています。
ハリコフ住民
「攻撃しているロシア軍兵士に言いたいです。ここで多くの市民や子供が死んでいると」
ハリコフ住民
「妻は恐れて地下にこもっています。食べ物がなく、供給が滞っています」
民間人への攻撃は西部ジトミルや首都キエフ近郊イルピンなど、ウクライナ国内のさまざまな都市で行われています。ウクライナ非常事態省によると、ロシア軍の攻撃で死亡した民間人の死者は2000人を超えています。
駅はハリコフから脱出しようとする市民らでごった返しています。中には小さな赤ん坊を抱え、身動きが取れない母親もいました。
母親
「こんなに混雑しているなか、赤ん坊を連れて列車に乗ることはできません」
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は、3日、ウクライナからの避難民が100万人を超えたと明らかにしましたが、ウクライナ国内にはまだ戦場から逃れられない市民が多くいます。
こうしたなか、ニューヨークにある国連本部では・・・
記者
「国連総会決議案の投票結果が出ました。140か国を超える賛成多数でロシアを非難する決議案が採択されました。議場内は大きな拍手が送られています」
ロシアを非難し、ウクライナからの即時撤退を求める決議案の採決が行われ、141か国の賛成で採択されました。ロシアやベラルーシ、北朝鮮など5か国は反対。中国やインドなど35か国は棄権しました。
採決前、ウクライナとロシアの代表は・・・
ウクライナ キスリツァ国連大使
「ウクライナでの流血の事態を自分の戦争ではないと考える人がいるかもしれないが、それは間違いだ」
ロシア ネベンジャ国連大使
「この決議案では我々の軍事行動の終了につながらない」
ロシア軍による侵攻が始まってから1週間となるきょう、両国による2回目の停戦交渉が行われる見通しです。
しかし、ロシア側が求めているのはウクライナの非武装化や、NATO=北大西洋条約機構への加盟断念で、ウクライナ側が受け入れる見込みはありません。
また、ウクライナ側はロシア軍の撤退を求めていますが、ロシア軍の攻撃はむしろ激しさを増していて、両国の立場に大きな隔たりがあるなか、停戦に至るプロセスは依然、厳しい状況にあります。
(03日15:59)
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