「デジタル銭湯体験ツアー」 東京・大田区で開始…“銭湯文化”で訪日客獲得へ(2023年11月27日)

「デジタル銭湯体験ツアー」 東京・大田区で開始…“銭湯文化”で訪日客獲得へ(2023年11月27日)

「デジタル銭湯体験ツアー」 東京・大田区で開始…“銭湯文化”で訪日客獲得へ(2023年11月27日)

 訪日外国人客にバーチャルとリアルで銭湯文化を体験してもらうツアーが、東京・大田区内で始まった。インバウンドを呼び込むため、大田区はなぜ、銭湯に白羽の矢を立てたのか取材した。

■「銭湯文化」で訪日客獲得へ

 政府観光局によると、先月に日本を訪れた外国人は251万人余りとなり、新型コロナ感染拡大前の2019年の同じ月を初めて上回った。

 そんななか、日本の玄関口である羽田空港がありながら、他の観光地への「通過点」となってしまっているのが、東京・大田区だ。

 どうにかして、訪日客を取り込めないか?大田区が起死回生を賭けたのが「銭湯」だという。

 大田観光協会 飯嶋清市事務局長:「大田区の銭湯はですね、都内で一番多いんですけれど。特に日常の日本人と触れ合える場所ということで、伝統のある文化でございますので。まず銭湯から入っていただくのが、一番入りやすいのかなと思いまして」

 日本が誇る「銭湯文化」を知ってもらうことが、訪日客獲得につながるという。

■バーチャル空間で“歴史&マナー”を学習

 日本に多くの外国人観光客が訪れるなか、大田区では都内で最も銭湯が多いという強みを生かし、訪日客向けの「デジタル銭湯体験ツアー」が開催されている。

 英語と中国語にも対応したツアー。一体どんなものなのか?

 まず、羽田空港に隣接する施設で行われるのは、VRゴーグルを使った「銭湯の歴史」を学ぶ体験だ。

 VR映像:「初めて風呂屋ができたのが1591年。江戸時代には一気に庶民の間に広まります」

 バーチャル空間の中で、コンシェルジュが分かりやすく銭湯文化を教えてくれる。

 さらに、外国の人には馴染みのない「入浴のマナー」をクイズを通して、学ぶことができる。

 VR映像 クイズ:「浴室内でカメラやスマホを使うギルティ(“有罪”)orノットギルティ(“無罪”)」
 佐藤ちひろアナウンサー:「それは恥ずかしい、ギルティ(“有罪”)!」

■銭湯でプロジェクションマッピング

 VR体験後は、バスで区内の銭湯へ。到着したのは、創業94年となる「改正湯」。ここでも最新技術を使った体験ができる。

 浴場の壁に映し出されるのは、桜や忍者などがふんだんに盛り込まれたプロジェクションマッピング。さらにプロジェクションマッピングで日本の文化を堪能した後、足湯でリラックスすることができる。

 このツアーには、区内のすし店での食事も付いていて、値段は1人5000円となる。

■銭湯の魅力は伝わる?

 銭湯は、外国人を引きつけることができるのだろうか?日本を訪れた外国人観光客に聞いてみた。

 フランス人観光客:「(銭湯体験ツアーは)いいアイデアですね。欧米で銭湯はあまり有名ではないのですが、とても魅力的なので、これをもっと発信するべきです」

 オーストラリア人観光客:「銭湯のマナーについて学べるのがいいですね。観光客に銭湯が持つ伝統を経験してもらうためには良い方法だと思います。銭湯って素晴らしい」

■急激に減り続ける銭湯 大田区も厳しく

 全国的に減少傾向にあるという日本の銭湯。都内で最多の銭湯の数を誇る大田区も例外ではない。

 東京都浴場組合によると、平成元年、大田区には148の銭湯があったが、おととしの令和3年には35にまで減っている。

 銭湯が減少している要因について、大田浴場連合会の担当者は「後継者不足の問題や老朽化問題などのほかに、特に深刻なのが高齢化による常連客離れだ」と話す。

 深刻な常連客離れを受け、新しい客の開拓に目を向けたという大田浴場連合会。そういった観点から、羽田空港のおひざ元であることを生かし、訪日外国人客の取り込みを考えたという。

 大田浴場連合会の小林千加史事務局長は、「海外の人に温泉は大人気。その温泉より安く入れるということで、銭湯も徐々に人気が出ている」としていて、「今回のツアーで銭湯文化をもっと多くの訪日外国人に知ってもらって、大田区の銭湯に足を運んでもらえるようになればと期待している」と話す。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年11月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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