宝塚歌劇団パワハラ認めず「二時代前の価値観」 元タカラジェンヌ「異常な縦社会」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年11月15日)

宝塚歌劇団パワハラ認めず「二時代前の価値観」 元タカラジェンヌ「異常な縦社会」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年11月15日)

宝塚歌劇団パワハラ認めず「二時代前の価値観」 元タカラジェンヌ「異常な縦社会」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年11月15日)

 宝塚歌劇団に所属する女性が死亡した問題で、劇団が会見を開き、「命を守ることができなかった」と遺族に謝罪をしました。一方、「女性に対するいじめやハラスメントについてはあったとは認定できない」としました。

■劇団側が会見「ヘアアイロン記録ない」

 宝塚歌劇団 木場健之理事長:「この度の宙組生の急逝につきまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族のみなさまには大切なご家族を守れなかったことを心より深くおわび申し上げます」

 会見の冒頭、遺族に謝罪の言葉を述べた木場理事長。25歳の女性はなぜ亡くなったのか…。

 遺族のコメント:「劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え助けを求めたにもかかわらず、それを無視し、ねつ造、隠ぺいを繰り返しました」

 遺族が訴えていたのは、度重なる上級生からのパワハラだ。おととし、女性が上級生からヘアアイロンを額に当てられ、やけどを負ったという件について、劇団側の調査報告書では…。

 宝塚歌劇団 井塲睦之 理事・制作部長:「看護師によると、当時、故人のやけどを見たが、痕には残らない程度のやけどとみられ、ヘアアイロンでやけどをすることは劇団内では日常的にあることであり、記録は残していないとのことであった」

■「二時代前の価値観」遺族側の反論

 遺族側は、即座に反論した。

 遺族代理人 川人博弁護士:「この報告書の内容は失当である。間違いである。極めて軽傷であるというかのごとき、看護師の供述が引用されているだけで、母親の証言やLINEの証拠について言及せず、極めて一方に偏した事実の摘示を行って、やけどの程度を報告書は述べています」

 女性に浴びせられたという暴言については、次のように述べた。

 木場理事長:「(報告書では)故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、例えば『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、すべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されておりません」

 川人弁護士:「調査委員会はですね、LINEで本人が亡くなった彼女が訴えて書いたことについて、ほとんどすべて否認してるんですよ。これだけの悲劇的な事態を招いたにもかかわらず、縦の関係を過度に重視する風潮をそのまま容認し、上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前、二時代前と言ってもいい価値観による思考」

■元タカラジェンヌ証言「異常な縦社会」

 100年以上の歴史を持つ宝塚歌劇団。元タカラジェンヌは問題は根深いと訴える。

 元タカラジェンヌ 東小雪さん:「宝塚の暴力の構造に関して言えば、全員が加害者であり、全員が被害者なんですよね。自分もその構造の中に取り込まれてしまった。止めることができなかった」

 東小雪さんは2006年の退団以降、自身のホームページなどで劇団の改善を訴えてきた。

 東さんが在籍していたころの上下関係は…。

 東さん:「一般的に想起されるような上下関係の厳しさではなく、異常なまでの縦社会、異常なまでの上下関係。“清く正しく美しく”からはかけ離れているような想像もつかないような品のない暴言や人格を否定するような言葉遣いっていうのが度々あった」

 その苦しみを周りに相談できない環境があったという。

 東さん:「“外部漏らし”という言葉があって、親であっても宝塚の中であったことを話したことが伝わると、「お前何やってんだ」ってことを言われて。同期にも責任が及んでいく。まず誰かに相談するっていう発想自体がない」

 東さんが思いを寄せたのは、遺族のあるコメントだ。

 遺族のコメント:「『どんな辛いことがあっても、舞台に立っているときは忘れられる』と娘は言っていました。けれど、それを上回る辛さは忘れられる量をはるかに超えていました」

 東さん:「舞台に立っている時は、つらいことを忘れられるっていうことも、本当だと思います。それが本当だというところがすごく難しくて、それは間違いなく一部本当ではあるんです。ただ、それを維持するために暴力が使われてもいいのかというと、決していいことではないんですよね、長時間労働は駄目ですし、人格を否定するような暴言を吐いては駄目なんです。美しい舞台を維持するために、暴力を用いては絶対駄目なんです」

厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。

▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▼「#いのちSOS」0120-061-338
▼「よりそいホットライン」0120-279-338
▼「いのちの電話」0570-783-556

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年11月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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