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夏秋の毒キノコ同時発生 食中毒の被害多発 暑さの影響で異変…マツタケも産地に明暗【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年11月13日)
今年は異例の熱さの影響で、夏に生える毒キノコと秋に生える毒キノコが同時に発生し、各地で食中毒の被害が相次いでいる。
■1本で1人死ぬ「フクロツルタケ」
埼玉県の公園で行われた「秋のキノコ観察会」。
キノコ専門家の大舘一夫さんと一緒に園内に生える様々なキノコを見てみると、生い茂る草の中に白いキノコを発見した。
大舘さん:「真っ白できれいでおいしそうでしょ?これは1本食べれば必ず1人は死ぬという、フクロツルタケ」
真っ白な見た目が美しい「フクロツルタケ」。非常に強い毒を持ち、本来は夏に生える「夏の毒キノコ」だ。
大舘さん:「キノコの中毒で一番タチの悪い中毒症状を起こします。これを食べると、1日2日の間に下痢、嘔吐(おうと)が始まります。1週間くらいすると、血便が出たり、黄疸(おうだん)が始まったり、そういうことが始まるんです。そのころにはもう手の施しようがないという」
フクロツルタケは我々の身近な場所にも生えているという。
大舘さん:「もうこのキノコは本当にこういう普通の公園に出てくるキノコです。新宿御苑とか日比谷公園とか代々木公園とか、どこにでも出ます」
■立て続けに「夏の毒キノコ」を発見
さらに大舘さんも驚く光景が広がっていた。
大舘さん:「うわーすごいね、これ。これはすごいな、めったに見られないね、こんなのは」
切り株を中心に花畑のように広がるのは「ナラタケモドキ」。食べると下痢や嘔吐などの症状を起こす。
大舘さん:「ここに出ているナラタケモドキもそうですけど、夏のキノコなんですよ」
フクロツルタケに続いて、また夏の毒キノコ。そして広場にも、またまた夏の毒キノコが生えていた。
大舘さん:「カブラアセタケっていうキノコです。これはもう猛毒菌です」
自律神経を阻害する毒をもつ「カブラアセタケ」だ。その症状は、キノコの名前にも入っている。
大舘さん:「アセタケっていうのは食べると汗が出てくるんだよ。要するに自律神経を侵されるから、汗が出たり涙が出たり鼻水が出たり、そういう症状が出るのでアセタケっていう」
■暑さと少雨の影響で…なかなか生えず
大舘さん:「秋のキノコがそろそろ始まる時期だけど出てるのは夏のキノコという」
「秋のキノコ観察会」のはずが見つかるのは夏のキノコばかり。その原因は…。
大舘さん:「雨がずっと降らなかったので、夏のキノコがずっと我慢してたんでしょうね」
長く続いた暑さと雨が少なかった影響で夏のキノコがなかなか生えず、この時期に秋のキノコと同時に生えているのだという。
大舘さん:「夏のキノコが秋にも出るから、秋には出ないんだっていう前提でみると、(毒キノコかどうかの判断を間違えて)失敗するかもしれない」
■美味キノコとそっくり…毒キノコで死亡例も
大舘さん:「(Q.あそこに黄色いキノコが。お花みたいですね)きれいなキノコだね」「ニガクリタケといって、これも怖いキノコなんですよ。これも多臓器不全を起こす、死亡例もあるキノコですよ」
枯れ木や倒木などに年間を通して発生し、食べると下痢、嘔吐などの症状が表れる「ニガクリタケ」。このキノコには、ある特徴があるという。
大舘さん:「ニガクリタケって苦いんですよ。ところが加熱すると苦みがなくなっちゃう。クリタケというよく食べられてるキノコがあって形がそっくりなんです」
毒キノコの「ニガクリタケ」と食べられる「クリタケ」の形は確かにそっくりだ。
大舘さん:「ゆでたりすると、苦みがなくなっちゃうから、クリタケだって(勘違いしてしまう)」
■光る毒キノコ「食べるとひどい目に遭う」
そして今ひときわ中毒被害が多いのが、暗闇で光を放つキノコ。その姿がぼんやり輝く月のように見えることから「ツキヨタケ」という名前が付けられた。
この「ツキヨタケ」、下痢や嘔吐を引き起こす毒キノコ。秋によく生えるキノコで、11月に入ってからも中毒被害が多発している。
7日、岡山県で60代の女性が山で採った「ツキヨタケ」を食べ、嘔吐や下痢の症状が出た。
大舘さん:「見るからにおいしそうな感じで肉厚で食欲をそそるキノコなんですね。ただ、これを食べるとひどい下痢を起こしまして、ひどい目に遭うという」
今月に入ってから秋田県や新潟県、神奈川県でも「ツキヨタケ」による中毒が発生している。
大舘さん:「毒キノコを見分ける方法は一切ないということですね。食べられるものも1種類ずつ、毒のものも1種類ずつ覚えていくということしかない。キノコの知識がない方が図鑑を見てキノコを判断するということ、絵合わせでやってもこれは無理です。(キノコ狩りには)必ず判断できる方を伴って行くということです」
■石川県能登産のマツタケ 異例の豊作
キノコの異変はこれだけではない。「味覚の王様」マツタケにも起きていた。
例年、9月から10月にかけて収穫がピークになる石川県能登産のマツタケ。しかし今年は例年より20日ほど遅れ10月末に収穫のピークを迎えた。
和乃食はねや 前田利幸総料理長:「やっと石川県産が入ってきて、サイズ感もいい感じできています」
今年は異例の豊作ということもあり2割ほどお買い得になったという。
北川食品 北川美和江さん:「出始めは高かったけれど、今年は例年よりも安いと思う」
■長野では…「一本もない」「猛暑がなければ」
一方、マツタケ日本一の産地・長野県では…。
信州別所温泉 旅館 上松や 倉沢章会長:「今年は全然…ないですよね」「この辺にくると、マツタケの匂いがぷーんとしてくる」「(Q.きょうはどうですか?)きょうは匂わない…匂っていない」
暑さの影響で不作が続く状態に、マツタケ料理が自慢の旅館を営む倉沢さんは頭を抱える。
倉沢会長:「(去年は)この木のこういう所にちょこんと。1本ですけれど、この辺に生えていました」「(Q.今年はないですね)ないね…ゼロ」「(Q.1本もない?)はい」
11月の初旬でマツタケの季節は終わり。今年のマツタケはもう出てこないという。
倉沢会長:「本当に残念です。あんな猛暑がなければ…もしかしたら、(これから先)もうなくなっちゃう…」
地元産のマツタケが入手困難ななか、今、旅館で使用しているのはアメリカ産だ。
信州別所温泉 旅館 上松や 小西泰助板長:「毎年、地元のマツタケを食べに来てくれるお客さんの気持ちを考えると切ないですよね。できれば地元のマツタケを使って、食べに来てくれるお客さんに対して提供したいですよね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年11月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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