“立冬”秋晴れ 鍋シーズン到来も“力士の卵”悲鳴 ちゃんこ鍋はぜいたく品(2023年11月8日)

“立冬”秋晴れ 鍋シーズン到来も“力士の卵”悲鳴 ちゃんこ鍋はぜいたく品(2023年11月8日)

“立冬”秋晴れ 鍋シーズン到来も“力士の卵”悲鳴 ちゃんこ鍋はぜいたく品(2023年11月8日)

 暦の上で「立冬」を迎えた8日は異例の暑さから一転、各地で過ごしやすい秋晴れの青空となりました。寒くなってくると恋しくなるのが鍋料理。ただ、止まらない値上げの波に「力士の卵」から悲鳴が上がっているのです。

■「富士山×紅葉」 秋の絶景コラボ

 川に立ち込める“けあらし”を朝焼けが照らします。今シーズン一番の寒さとなった山口。霜も降り、冬の始まりを告げています。

 8日は“立冬”。紅葉は“最盛期”を迎えています。紅葉祭りが行われている山中湖。ピークを迎えた紅葉が“赤いトンネル”のように湖畔を彩ります。8日はあいにく雲が遮りましたが、雲がなければ富士山とのコラボレーションも楽しめます。

 東京からの観光客:「すごくきれいだった」「きれいだった」

■街は冬の装い 肉まん店は“大歓迎”

 雨が上がった東京も季節が一歩進みました。7日までの夏日から一転、少し涼しくなった東京都心。寒さを待ち焦がれている人もいます。

 正華飯店 従業員:「うれしいです。早く寒くなれって感じ」

 熱々のあんがたっぷり入った肉まん。東京・浅草にある店「正華飯店」。肉まんや角煮まんがウリです。7日までの暑さで売り上げは減ったため、寒さは大歓迎です。

 正華飯店 従業員:「蒸す方も暑いと大変。汗びっしょりかいて。寒くなると活気付く」

 ようやく肉まんが合う日和となり、少しずつ客が増えていました。

 客:「あったかい。これくらいの気温なら食べられる」

■夏の異変“凝縮”ちゃんこ危機

 暑さも落ち着き、食べたくなってくるのがホカホカの鍋です。葉物野菜に鶏肉や海鮮がたっぷり。ちゃんこ鍋が自慢の都内の飲食店「ちゃんこダイニング安美 両国総本店」。鍋シーズンの到来で予約が増え始める一方、頭を抱える事態も起きていました。

 ちゃんこダイニング安美 鎌倉昌二マネージャー:「ゴボウ、ニンジン、モヤシ、ダイコン、ニラ、ネギ、ハクサイ、キャベツ、キノコ類。このなかで際立って(値上げが)すごいのはハクサイ、長ネギ。例年の軽く1.5倍くらい」

 鍋に欠かせない「野菜」が軒並み“高値”に…。全体の仕入れ値は3割ほど上がり、特にハクサイや長ネギなどの葉物野菜は最大で5割上がっているといいます。

 ちゃんこダイニング安美 鎌倉昌二マネージャー:「私たちもすごく苦しいんですけど、ちゃんこ鍋の良さを知ってもらいたい。ここは辛抱で(値上げせず)頑張りどころ」

 この“夏の異変”が凝縮されたちゃんこ鍋。苦渋の決断をした場所もあります。育ち盛りの相撲少年も値上げの波にのみ込まれていました。

 この夏の猛暑の影響で材料費が軒並み高騰した冬の味覚の「ちゃんこ鍋」。ピンチに襲われていたのが千葉県柏市にある相撲少年団。小中学生11人が日々、相撲の腕を磨いています。角界に多くの人材を輩出する名門です。

 そんな「力士の卵」たちの栄養の源が「ちゃんこ」。寮では生徒が持ち回りでこなす「ちゃんこ番」なる役職もあるほど、ちゃんこ鍋にはこだわっています。

 ところが厨房(ちゅうぼう)には、まさかの光景が…。

 柏相撲少年団 永井明慶代表:「きょうはガパオライスとワカメスープ」

■“苦渋の決断” 夕食にガパオライス

 夜のメニューはちゃんこ鍋ではなくガパオライスとワカメスープ。苦渋の選択だといいます。

 柏相撲少年団 永井明慶代表:「本当なら栄養価も高いのでちゃんこ鍋を出してあげたいが、ワカメスープとちゃんこ鍋は野菜の使う量が5、6倍違う。予算的に週1回しか出せない」

 相撲少年を襲う値上げの波。以前は、ほぼ毎日ちゃんこ鍋でしたが、今は週に一日だけ。どの写真もちゃんこは見当たりません。月の食費はコロナ前の20万円から30万円に増えたといいます。

 柏相撲少年団 永井明慶代表:「プラスして光熱費が上がっているので大打撃です」

 栄養の源「ちゃんこ鍋」は“ぜいたく品”になっていたのです。

■“腹ペコ力士”悲鳴 驚きの節約術

 寮に6台もある冷蔵庫。食費を抑えるための努力は欠かせません。

 柏相撲少年団 永井明慶代表:「毎日安いものを探して買い出ししています。値段が毎週変わるので、その都度、安いものを探す努力をしないとまかなえない」

 高値の「野菜」を避け、スープは安い乾燥ワカメにガパオライスも肉だけではなく、タマネギをみじん切りにして「かさ増し」しています。1人1食で2合食べるという米は地元の人らが無償で支援しているといいます。

 柏相撲少年団 永井明慶代表:「毎月200キロぐらい食べる。子どもたちが喜ぶのを考えるとちゃんこ鍋は出してあげたいし、鍋を皆で食べ合うのもチームワークにつながる。やっぱり安くしてほしいです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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