「急にキレだして…」放火・発砲・立てこもり動機は?知人が語る86歳男の“素顔”(2023年11月1日)

「急にキレだして…」放火・発砲・立てこもり動機は?知人が語る86歳男の“素顔”(2023年11月1日)

「急にキレだして…」放火・発砲・立てこもり動機は?知人が語る86歳男の“素顔”(2023年11月1日)

埼玉県蕨市の郵便局で起きた、立てこもり事件で逮捕されたのは、無職の鈴木常雄容疑者(86)でした。自宅アパートへの放火や、病院での発砲についても供述しています。凶行な犯行に駆り立てたものは何だったのでしょうか。

郵便局での目撃者:「男も“ものすごく暴れてる”でもないし、訓練かなと。うるさい犯人役だなと思って。書類を出そうとしてて、カウンターの人とお話してたら、パンという音じゃなくて、バンッて強い音」

そこから8時間に及ぶ、立てこもりが始まりました。

鈴木容疑者は、事件を起こした日に全焼した、戸田市の木造アパートで暮らしていました。火の手が上がる、直前、鈴木容疑者を見かけた人がいました。変わった様子は、特になかったといいます。

近隣住民:「昼12時半ごろかな、ちらっと顔を見た。どこか出かけるところで。(Q.何で出かけるところ)バイクだったと思う」

住民によりますと、アパートは駅から近いのに、家賃は格安で、高齢の入居者も多かったといいます。ただ、戸田市による道路の拡幅事業に伴い、立ち退きの対象となっていました。

隣の部屋の住民:「ここ何日か前か、引っ越す準備かなって。物を出入りしていたから。うちのアパートも“2月で引っ越し”って、立ち退きで」

家財道具の整理も、計画のうちだったのでしょうか。鈴木容疑者は「放火した」と供述しています。

アパートが燃えるなか、鈴木容疑者は、バイクで5分ほどの距離にある戸田中央総合病院にやってきました。病院では医師(40代)と患者(60代)、2人が負傷していて、少なくとも2発の発砲が確認されています。

発砲時に居合わせた患者:「ナースが『手を貸してください』と。(Q.誰に対して)我々に。ナースが一生懸命『先生、血が出ています』と血液を拭いていた。(被害者は)こめかみ近くから血が出てた。ナースさんも慌てて『しゃがんでくれ、しゃがんでくれ』って。『窓から離れてしゃがんでくれ』って」

なぜ、病院が狙われたのか。捜査関係者によると、鈴木容疑者は以前、この病院に通っていたことが分かりました。そして「病院の対応に不満があった」などと話しているということです。

その後、郵便局に立てこもった時にも、交渉にあたった警察官に「病院の医師に面会させてほしい」と要求していたことが明らかになりました。要求は、それだけにとどまりせん。郵便局を襲ったことにも、理由があったようです。

鈴木容疑者:「郵便局の人と話したかった。過去に郵便局員が運転するバイクと事故に遭って、その時の対応に不満があった」

その事故の処理をした警察官にも会いたいと訴えました。立てこもりへの周到な準備からは、計画性もうかがえます。弾倉にこめられた弾の他にも、複数の弾丸を所持。刃物は2本。灯油を入れるような容器2つと、2本のペットボトルには液体が入っていました。現場からは複数のライターも見つかっていて、捜査関係者は火を付ける可能性もあったとみています。

郵便局に居合わせた人:「バンっていう強い音で向いたら、男の人がいて、小柄なおじさん。後ろを振り向いた時は、おまわりさんがすでに入っていた。『撃つな』と大きな声で言っていた。『しゃがめ、しゃがめ』と(郵便局員に)言われて、カウンターの下にしゃがんだ。少しして『逃げろ』と指示が出て、外に出た」

その後、2人の郵便局員が人質となりましたが、縛られたりすることはなかったといいます。通りを挟んだ郵便局の向かいに1台の原付バイクがとまっていました。鈴木容疑者が乗って来たバイクの可能性があります。薬莢も2つ見つかりました。

親しい人物らに取材を重ねていくと、気性の激しい一面が浮き彫りに。15年近く前から利用していた電器店の店員はこう話します。

電器店店員:「2009年にテレビを買いに来た、4月に。6月にも買いに来た。また7月に買いに来た。奥さんが何度もテレビを買いに来るから『なんで?』と言ったら『旦那さんがけんかすると暴れて、リモコンを投げ付ける』と。奥さんに当たるとけがしちゃうから、テレビに投げるんだと」

履歴をみると、1年と8カ月の間に、7台ものテレビを買っていました。2カ月ほどで買い替えることも、しばしば。リモコンだけ購入することもあったようです。そんなこともあってか、電器店とは縁があったようで、別の店では…。

電器店店主:「2000円の修理代とすると、3000円くれたり。相手にもよるだろうが、おれらには優しいところがあった。釣りに行ったりとか、そこのパチンコにも行ったり、『銃を撃ちに行かないか』と誘われた人もいたみたい。(Q.一緒に撃ちに行かないか)猟銃だよな。普通、ピストルはあり得ないから。猟銃でも撃ちに行かないかと言っていたみたい」

気前が良かったという人は少なくありません。

鈴木容疑者の知人:「ステーキハウス。肉が好きだったから、鈴木容疑者は。ごちそうしてくれる。一緒に行くと、何でもごちそうしてくれた。昔というか10年以上前」

鈴木容疑者の友人:「彼女と一緒に来て、よく飲んでいた。(Q.最後に会ったのは)1週間前だな。(Q.1週間前の感じは)なんでもないよ」

一方、隣の部屋で暮らす人は…。

隣の部屋の住人:「最初は色んな話をしたし、優しそうなおじちゃん。10年くらい前、あいさつしたら『お前の家とは関わりたくねぇ』と急にキレだして。怒り出すと玄関バーンと閉めたり、ふすまドーンと閉めたり。テレビぶっ壊して、窓からテレビをぶん投げていた」

警察は、一連の事件の動機とともに、拳銃の入手経路についても調べを進めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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