【報ステ解説】「建設的な話できている」現場で何が“拳銃立てこもり”男の身柄確保(2023年10月31日)

【報ステ解説】「建設的な話できている」現場で何が“拳銃立てこもり”男の身柄確保(2023年10月31日)

【報ステ解説】「建設的な話できている」現場で何が“拳銃立てこもり”男の身柄確保(2023年10月31日)

拳銃を持った男が、埼玉県蕨市の郵便局に立てこもっています。

事件発生は31日午後1時10分過ぎ。埼玉県の戸田中央総合病院で、病院の前で「爆発音のような大きな音がした」と110番通報がありました。

男が病院1階の外から室内に向け、複数回、発砲したとみられます。窓ガラスがハチの巣状に割れていたといいます。

40代男性医師と60代男性患者がけがをしました。60代の患者は、銃によるけがで、命に別状はないということです。40代の医師は軽傷。割れたガラスか銃によるものか不明です。

「拳銃のようなものを持った人がバイクで去った」という目撃情報があります。逃走した男は、身長160センチほどの中肉で、上下とも黒い服、ヘルメットを着用して、バイクに乗っていたといいます。

この男が立てこもったとみられるのが、病院から約1.5キロ離れた蕨郵便局です。ここでも発砲音のような音が聞こえたといいます。

午後2時15分、蕨郵便局員から「拳銃を持っている男が来ている」と110番通報がありました。郵便局の中には、職員の女性2人が取り残されましたが、午後7時過ぎに1人が出てきました。

警察は、男とは郵便局の電話を通して交渉中だといいます。

さらに、病院での発砲の少し前、午後1時ごろ、戸田駅近くのアパート1階から火災があったとの通報がありました。警察によると男の自宅とみられるということです。

◆元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さん、テレビ朝日社会部・神保修麻デスクに聞きます。

(Q.立てこもりから8時間、いま警察は何を優先しているのでしょうか)
佐々木成三さん:こういった人質立てこもり事件の捜査の原則は、取り残された人を無傷で保護すること。容疑者も無傷で確保。そして、警察官の安全を確保することが大原則です。まだ、男の目的がわからない状態ですが、男との建設的なコミュニケーションができているので、現場の状況、容疑者がどういった武器を持っているのか、室内の状況など、状況把握をしているところだと思います。そして、残された人の解放を求めていると思います。

神保修麻デスク:まずは、取り残された人の無事、救出保護が一番ということです。そして、容疑者の身柄を確保すること。自殺などといったことにならないように、うまく説得して、身柄を確保することが、一番だと思います。

(Q.8時間経過していますが、解決するために、これは長い時間といえるのでしょうか)
佐々木成三さん:立てこもりの事件の解決というのは、時間が長い・短いではないと思います。例えば、突入するときは、100%、被害者が安全ないとできないし、突入しません。時間で短いとか長いはないと思います。現場の状況をちゃんと把握したうえで、判断するということだと思います。

神保修麻デスク:交渉によって1人の女性が出てきました。女性から話を聞くことで、郵便局内の様子がわかる。男がどういう状況で、どのような言動をしているのかを聞くことができます。それを聞いて、今後の方針を立てていると思います。

佐々木成三さん:コミュニケーションのキャッチボールができている。つまり、建設的な話し合いができているということだと思います。残っている人について、刺激的な言葉を与えずに交渉していると思います。

◆新しい情報が入ってきました。

男の身柄が確保されました。情報によりますと、突入をして、男を確保したということです。

佐々木成三さん:どういう状況かわかりませんが、被害者の安全が確保されたか、被害者の状況が緊迫しているかのどちらかだと思います。容疑者がどこにいたかわかった状態で突入しています。

※現場近くにいる井澤健太朗アナウンサーの報告です。
女性2人とも保護されているということです。1人目だけでなく、もう1人の女性についても保護されているという情報が入ってきています。2人目の女性に関して、詳しいことはわかっていませんが、1人目の女性は、出ていく様子を見ることができました。その方は、しっかりとした足取りで歩いていました。ここからは突入する様子すべてを確認することはできませんでしたが、午後10時20分に突入。拳銃のようなものを押収し、80代の男を確保しました。

佐々木成三さん:突入する際、窓ガラスを割ったり、武器を使った様子がないので、粛々に行われたという感じですね。

(Q.女性の安全は確保できていたと考えていいですね)
神保修麻デスク:確実にそうだと思います。そうでないと突入という形にはならないと思います。どこにいるかも確認して、準備して突入したということになると思います。

(Q.80代の男の身柄が確保され、拳銃のようなものを持っていることでした。どんなことが考えられますか)
佐々木成三さん:かなり慎重に決断をしたと思います。郵便局の建物は、かなり大きいので、警察が侵入しやすい場所が多くあるのは、突入するのに有効だったと思います。アパート火災の現場の映像を見ましたが、火の手が早い。しかも室内から燃えていますので、油のようなものを使ってる可能性が高いと思います。そして、病院で発砲しています。私は蕨警察にいたので、距離感がわかるのですが、立てこもったと連絡が入るのが1時間後です。本来ならもっと遠くに逃げてもいいはずですが、近場の郵便局に行ったということは、何かしらの目的があった可能性もあると感じます。

(Q.アパート火災、病院の発砲と、一連の犯行は男によるものだという見通しがあったのでしょうか)
神保修麻デスク:そういう見方をして捜査をしていたと思います。相当な決意を持って犯行に及んでいると思います。どういう動機なのか。それをうまく説得しながら、冷静に追って行って、突入に至ったと思います。

(Q.埼玉県警の動きについて、どう評価しますか)
佐々木成三さん:残念ながら負傷者もいますが、被害者2人無事保護できて、容疑者も確保できたということにおいては、スムーズにできたと感じます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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