トマト“異次元の高値”なぜ? 料理店「仕入れ値2倍超え」 悲鳴続出(2023年10月24日)
■「弁当も質素に」赤字販売も
衝撃的なトマトの値札。税込みで1個321円。平年と比べて3倍以上の高さです。
アキダイ 秋葉弘道社長:「この業界にかれこれ35年以上いますけど初めてです。人生初めてというか、僕の人生というか日本の農業の歴史でも初めてじゃないですか」
「異次元の高値」に客は…。
客:「高すぎて買えない。弁当の中身も貧相になると心配しています」「こんなに王様のように値段が高くなっていいのかなと」
苦肉の策でしょうか…。
客:「食卓に少なくのせて毎日をつないでいます」「(代わりにサラダに)赤いパプリカを切って付けたり、何とか工夫しています」
トマトの1キロあたりの平均卸売価格を見ると、9月になって急上昇。1月のおよそ2倍です。店への影響は計り知れません。
アキダイ 秋葉弘道社長:「厳しいですよ。仕入れれば赤字ですから全部。赤字で売っているのに普段より(販売価格は)2倍以上」
なぜ、そこまでの高値になっているのでしょうか。生産現場には近年まれにみる異常事態が起きていました。
■料理店「仕入れ値2倍超え」
都内のトマト料理専門店。看板メニューは飛騨の高原で育ったブランドトマトを2つ使ったカルボナーラです。温めることでトマトの旨味がぐんと増すんだとか。こだわりのメニューに襲い掛かる異次元の高値。
トマト・トマト・デ・ルーチェ オーナーシェフ アモビ・アタネシウスさん:「(仕入れ値は)前は100円、今は2倍を超えている。厳しい状況にあります」
仕入れ値が2倍以上に跳ね上がったうえ、品不足で仕入れの量も半分以下だといいます。他の食材の高騰などですでに値上げしたメニューもあるなか、トマトの高値が続けばパスタも上げざるを得ないといいます。
トマト・トマト・デ・ルーチェ オーナーシェフ アモビ・アタネシウスさん:「(客には)学生もいるから、20代、30代もいるのでそんなにお金がない。一気に値段が上がっちゃうとお客様に影響があると思うので調整して値段上げたいと思います」
なぜ、高値は続くのでしょうか。生産現場をのぞくと、その理由が見えてきました。
■猛暑で高温障害 値下がりいつ?
伊藤農園.F 伊藤綾馬さん:「花が咲いてそこからトマトになるんですけど、それが高温の影響で花の状態や樹の状態が良くなくてトマトになれなかったもの」
不作の原因はこの夏の猛暑です。暑さの影響でトマトの樹の状態が悪くなり、花が咲かなかったため、実は半分ほどしか付かなかったといいます。夏場はハウスを遮光するなどの暑さ対策をしたものの、高温障害を避けられず、収穫した多くも実が裂けて売り物になりません。
伊藤農園.F 伊藤綾馬さん:「最初から付いている数が少なく、そこからさらに劣化だったり形が悪いトマトになってしまうのでかなりきつい状態」
ただ、暗いことばかりではないといいます。
伊藤農園.F 伊藤綾馬さん:「気温も下がってきてトマトが生育するのにとても良い環境に戻ってきているので、だんだん収穫量も増えてくる」
野菜の流通事情のプロ・秋葉社長はトマトの値段が下がる時期をこう読んでいます。
アキダイ 秋葉弘道社長:「(トマトの値下がりは)だいたい11月ぐらいですね。来週くらいからちょっとずつ下がってくる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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