“停戦交渉”もプーチン氏“核戦力”ちらつかせ・・・ウクライナ各地で戦闘続く(2022年2月28日)
ロシア政府の関係者によりますと、まもなく日本時間午後6時からロシアとウクライナの停戦協議が始まります。停戦に向けて進展はあるのでしょうか。
立ち上る6本の煙の柱。
ロシア南西部ベルゴロドからウクライナに向けて打ち込まれたロケット砲です。
首都キエフ近郊では石油貯蔵施設が炎に包まれました。
地元住民:「ミサイルが当たったんだ。昨晩から燃えている。爆発は大きかった」
欧米各国がウクライナに対する軍事支援を強化し、「SWIFT」と呼ばれる国際的な決済ネットワークからロシアの特定銀行を締め出す動きが進むなか、プーチン大統領は。
ロシア、プーチン大統領:「NATO(北大西洋条約機構)主要国の指導者層は、我が国に対して攻撃的な発言をしている。そのため国防相、参謀長にロシア軍の抑止力部隊を特別戦闘準備態勢に移すことを命令する」
「抑止力部隊を特別戦闘準備態勢に移す」。これは核戦力を念頭に置いたものです。
アメリカ、トーマスグリーンフィールド国連大使:「けさ、プーチン大統領は戦略核部隊に特別警戒を命じた。核を持たない国に侵攻し、NATOの脅威にもさらされていないにもかかわらず」
国連安保理では193カ国が加盟する国連総会、緊急特別会合を求める決議案が採択されました。
ロシアが反対し、中国など3カ国が棄権をしましたが、この採決では、常任理事国の拒否権が認められておらず、11カ国の賛成で開催が決まりました。
安保理による会合要請は40年ぶりです。
日本時間の来月1日午前0時から数日間続き、ロシアに対する非難決議が採択される見通しです。
ジョンソン首相:「(ロシアは)ウクライナで起きている現実に動揺しているのだろう。無実の人々が完全に理不尽な侵攻に直面しているが、彼らは抵抗している。ロシアの想像を超えて抵抗している」
圧倒的な兵力を持つロシア軍が侵攻すれば、キエフは2日以内に陥落するという分析もアメリカの情報機関から出されていました。
ただ、すでに侵攻から5日目に入っています。
撮影者:「家の周りがこんなことになってしまった」
キエフ近郊の町、ブチャです。
焼け焦げたロシア軍の戦車や軍用車の残骸が至る所に残され、ウクライナ軍の激しい抵抗にあったことを物語っています。
ウクライナ内務省が公開した映像でもウクライナ第2の都市ハリコフで、やはり破壊されたロシア軍車両をウクライナ軍兵士が確認する様子が収められています。
集合住宅のすぐそばでは地面に不発弾が突き刺さっています。
ウクライナ西部・リビウのビール醸造所です。
ただ、今作っているのはビールではありません。火炎瓶です。
地元住民:「火炎瓶を作って、リビウの国境付近やキエフに送りました」
醸造所の男性:「なぜビールではなく火炎瓶を作るのかって?答えは簡単。やれることだからだ」
ロシア国防省は、ロシア側に損害が出ていることを認めました。
ロシア国防省・報道官:「残念ながら同僚に死者や負傷者が出ている。ただ、ウクライナ軍側の死者や損害より何倍も少ない」
激しい攻防戦が続くなか、ウクライナとロシアは28日、ベラルーシ国境で初の対話に臨みます。
ウクライナ、クレバ外相:「ロシア軍が相次いで敗北するなか、ロシアは要求や前提条件、最後通告を保留し、話し合いたいと伝えてきた」
東部ドネツク州のマリウポリではスポーツジムに大勢の人が避難しています。
望むのは一日も早い平和です。
ウクライナ内務省によると、これまでに少なくとも子ども14人を含む352人の民間人が死亡しています。
避難している女性:「(協議には)希望が持てます。誰もが平和を求めています。市民が殺されないような何らかの成果があってほしい」
ただ、そもそもプーチン大統領が語っていた侵攻の目的は、“ウクライナの非軍事化”です。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「正直に言って、協議の成果はあまり期待できない。でも試してみよう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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