被害者「やっとスタートラインにのった」旧統一教会に解散命令請求へ(2023年10月12日)

被害者「やっとスタートラインにのった」旧統一教会に解散命令請求へ(2023年10月12日)

被害者「やっとスタートラインにのった」旧統一教会に解散命令請求へ(2023年10月12日)

政府は12日、旧統一教会への解散命令を裁判所に請求することを決定しました。

午後1時から行われた旧統一教会をめぐる宗教法人審議会。
盛山文部科学大臣:「解散命令請求は、相当であるとの全会一致のご意見でありました」

発端は、安倍元総理の銃撃事件でした。逮捕・起訴された山上徹也被告(43)が、旧統一教会への恨みから事件を起こしたと供述。高額献金など、教団の抱える問題への関心が高まります。そして、政治との密接な関わりも相次いで発覚。大臣が辞任する事態にまで発展しました。

こうしたなか、政府が乗り出したのが、史上初めての“質問権”の行使でした。文部科学省は、7回にわたり、教団側に組織運営や献金などについて、報告を求めてきました。

焦点となっていたのは、旧統一教会側に『組織性』『悪質性』『継続性』の3つの要件が認められるかです。
盛山文部科学大臣:「信者による献金の勧誘が、相手方の自由な意思決定に制限を加え、正常な判断が妨げられる状態にするなど、共通する方法により行われている。これらの行為は宗教法人である旧統一教会の業務・活動として行われている。“組織性がある”と我々は判断しました」

また、盛山大臣は、旧統一教会による被害が、裁判上の和解や示談を含めると約1550人に及び、解決金などの総額は204億円に上ることも明らかにしました。
盛山文部科学大臣:「財産上の影響はもとより、親族の平穏を害するなど、多数の者にさまざまな悪影響を及ぼしたという“悪質性”」

少なくとも1980年から、これらの行為が継続的に行われてきたことも認めました。
盛山文部科学大臣:「多くの方々を不安や困惑に陥れ、その生活の平穏を害するものでした。宗教法人の目的を著しく逸脱するものであり、解散命令事由にも該当すると認めました」

約5000点の資料を揃え、13日にも東京地裁に解散命令を請求します。
岸田総理:「法律に基づいて手続きを進め、客観的な事実に基づき、厳正に判断した」

テレビ朝日は11日、世界平和統一家庭連合=旧統一教会の本部内を取材しました。礼拝堂には、創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏と、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の夫婦の写真が掲げられています。毎週日曜日には、約200人の信者が集まるそうです。

60年近く、信仰を続けているという柴沼邦彦さん(78)。解散命令請求を、こう表現しました。
現役信者・柴沼邦彦さん:「宗教法人として政府が裁判をするということは、ある面では、法人の“死刑宣告”をすると。検事が死刑を要求するという裁判と一緒のこと」

現役の信者らは10日、解散命令請求に反対する約5万3500人分の嘆願書を文化庁に提出しています。

現役の2世信者・小嶌希晶さん(28):「『法人格がなくなるだけで、信仰は続けられるでしょう』とすごく言われるんですけど、そんなことはなくて。教会がなくなれば、集まる場所もなくなるし。“第2の家”という心のよりどころの場所なので、『解散請求』政府から出すべきと判断されたこと自体が、本当に苦しいし、悲しい」

旧統一教会側は争う姿勢です。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会):「私たちは、国から解散命令を受けるような教団ではないと確信しております。今後は、裁判において、私たちの法的な主張を行っていく予定です」

元妻が信者の橋田達夫さん(65)。教団への高額献金などが原因で家庭が崩壊し、長男が自殺したなどと、実名で被害を訴えてきました。
元妻が旧統一教会信者・橋田達夫さん:「教団がなければ、(長男も)もっともっと変わった人生があったと思うんですよ。友だちは遮断されるし、子どもたちが一番影響受けていますね。僕は離れたら、それで済むんですけどね。子どもたちは、親からは離れることできませんもんね。特に小学生、中学生はなかなか」

他の被害者らとともに、賠償するよう交渉を申し入れています。
元妻が旧統一教会信者・橋田達夫さん:「集団交渉には入りましたけど、実際、彼らはほとんどのってきてないので、やっぱり教団の財産保全ですよね。保全されないと救済はされませんので。やっとスタートラインにのった」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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