「空爆なら人質を処刑」ハマス警告 イスラエル「戦争状態」宣言…奇襲攻撃の舞台裏【もっと知りたい!】(2023年10月10日)
イスラエル政府は「我々は戦争状態にある」と宣言し、大規模な報復攻撃を開始しました。一方のイスラム組織「ハマス」は、イスラエルがガザ地区に今後、空爆を行った場合、「拉致した人質を事前通告なしに処刑する」と警告しました。
■ハマス司令官 「アクサの洪水」開始を宣言
パレスチナ自治区・ガザの市街地に、イスラエル軍のミサイルが着弾し、逃げ惑う人々。パレスチナ側によりますと、ガザ地区では、これまでに687人が死亡したといいます。
イスラエル ネタニヤフ首相:「私たちは戦争状態にあり、国民に結束を呼び掛けます」
イスラエル軍が報復攻撃を行うきっかけとなったのは、ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」の奇襲攻撃です。
奇襲当日に公開されたハマス幹部の声明です。
ハマス司令官:「敵は裁きを受けずに、破壊し続けられないと知るべきだ。ここに『アクサの洪水』作戦の開始を宣言する」
■イスラエルの目そらす陽動作戦 真の狙いは…
ハマス側が「アクサの洪水」作戦と呼ぶ、大規模な攻撃。「中東最強」とされるイスラエルの情報機関「モサド」はなぜ、事前に察知することができなかったのでしょうか。
攻撃時の映像から見えてきたのは、ハマス側の用意周到ぶりです。
ハマスによる攻撃が始まったのは7日未明。イスラエルに向け、短時間に5000発ともいわれるロケット弾を撃ち込みました。
ロケット弾の一部は、イスラエルが誇る防空システム「アイアンドーム」をかいくぐり、テルアビブなどに着弾しました。
しかし、この攻撃はイスラエルの目をそらす陽動作戦で、真の狙いは、1000人以上の戦闘員をイスラエル側へ越境させることだったとみられます。
ハマス軍事部門:「ロケット弾の集中砲撃による援護射撃のもと、戦士たちは敵の防衛線を突破した」
■ハマス戦闘員 イスラエルの27カ所で目撃
イスラエルがガザ地区を封じ込めている分離フェンスを破壊し、イスラエル側に侵入する戦闘員。別の境界では重機を使ってフェンスを壊し、ガザ地区の民間人とみられる群衆まで越境しています。
なかにはパラグライダーを使い、コンクリートの分離壁をやすやすと飛び越え、銃撃しながらイスラエル側に降り立つ戦闘員の姿もありました。
今回、ハマスの戦闘員は、少なくとも7カ所からイスラエル側に侵入。その後、27カ所で戦闘員が目撃されたということです。
■人質100人以上がガザ地区に…米英など外国人も
1000人以上の戦闘員を越境させたハマス。その主な目的は何だったのでしょうか。
ガザ地区に近いイスラエルの町で行われていた音楽フェスの映像。よく見ると、上空に複数の黒い影が見えます。
会場では、空と陸の両方からハマスの戦闘員が観客を襲撃。逃げ遅れた人を次々と殺害し、遺体の数は260人に上ったと発表されています。イスラエル側では、少なくとも900人が死亡しました。
さらに、バイクに乗せられ、連れていかれる女性。伸ばした手の先では、夫とみられる男性がハマスに連行されています。
ガザ地区に連れ去られ人質になった人の数は100人以上。中には数十人のアメリカ人やイギリス人などの外国人が含まれています。
■ハマス「空爆なら人質処刑」 様子を放送か
一方、イスラエルメディアは、イスラエル軍の報道官の話として、「ガザ地区に接する地域のコントロールをすべて取り戻した」と報じました。
今後、地上部隊の侵攻が大きな焦点になります。
そうしたなか、ハマスの報道官が9日、声明を発表したと地元メディアが伝えています。
ハマス報道官:「この時間より、ガザ地区への新たな空爆があった場合、事前通告なしに人質を処刑する」
その様子を映像と音声で放送するとしています。
(「グッド!モーニング」2023年10月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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