「解散請求」に対抗?韓鶴子総裁ら日米韓の教団最高幹部が米ラスベガス集結“狙い”は(2023年10月8日)
旧統一教会への“解散請求”が迫る中、教団トップ・韓鶴子総裁ら各国の幹部がアメリカ・ラスベガスで会合を開いたことが分かりました。狙いはいったい何なのか?現地を緊急取材しました。
■迫る“解散請求”教団トップら米国集結…思惑は
世界最大級のカジノの街、アメリカ・ラスベガス。
(力石大輔記者)「ラスベガス中心部、空港から車で2~3分ほど近い場所です。見えてきました。カメラ画面の右手…」
街の一角にそびえたつ豪華な建物。
(力石大輔記者)「こちらがラスベガスにある旧統一教会の施設です。きょうはですね、聖職者らが集まる会議が開かれていて韓鶴子総裁も出席する予定です」
ラスベガスで行われたのはアメリカの幹部や指導者らを集めた会議です。ラスベガス教会のHPを見ると…大きなケーキで歓迎を受ける韓鶴子総裁の姿が映っています。さらに幹部らとの会合に出席する様子も…そこには、日本の田中会長の姿もありました。教団の解散命令を請求する方針を固めた文部科学省は12日にも宗教法人審議会を開く見通しです。
韓国、日本、アメリカの最高幹部が一堂に会した目的はいったい何なのでしょうか?
教団関係者によると、ラスベガスでのイベントのテーマは「宗教・信仰と自由」。教団が財政難に陥る中、日本の“解散請求”に対抗するのが狙いだといいます。
Q.日本での“解散命令請求”について
(米国の信者)「米国では信仰の自由に関する法律は厳しく、言論の自由も保障されています。日本のことは残念ですし、真の母も祈りを求めています」
「日本政府関係者もこれまで教会に協力的だったのに離れていきました。悲しい状況ですが良くなることを願っています」
HPでは「若者から真のお母様への愛の贈り物」と題し、集会への参加と献金を呼びかけています。
(ラスベガス家庭教会HPから)「私たちの活動は世界各地で深刻な財政危機に直面しています。中でも、日本とアメリカは厳しい状況で、真のお母様がその重荷を背負っています。多い少ないは関係なく、ラスベガスに会いに来られなくとも何か贈り物をしてください」
ラスベガスを訪問した韓総裁の狙いは何なのか?ジャーナリストの鈴木エイト氏は…
(ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「現状の教団の幹部が全部そろっている。思惑としては教団が財政難になっている中、どうやって引き締めを図るか。もうすでにいくつか教団の優良な不動産をアメリカ国内でも売りに出している話もある。そのあたりの金策もありえます」
今月4日、教団の現役信者と友好団体に「名誉棄損」などで提訴された鈴木氏。
(原告代理人 徳永信一弁護士)「ジャーナリストの鈴木エイトさんを被告とした、名誉毀損の損害賠償請求事件。これについての記者会見を始めさせていただきます」
自ら会見を取材しましたが、解散請求を前に“報道の萎縮”を狙った可能性もあるとみています。さらに信者の有志は、政府に解散命令を請求しないよう求める嘆願書の提出を呼びかけています。
嘆願書の見本には、赤字で、「自筆で自分の気持ちを書いてください。攻撃や非難ではなく『嘆願』の内容でお願いします」と書かれています。
教団によれば、去年寄せられた2万3000通の嘆願書と今回集まった嘆願書を文化庁に提出する予定だといいます。
(世界平和統一家庭連合)「『解散命令請求をしないでほしい』と願う信者様の切実な嘆願書を文化庁が聞き入れてくださり、解散命令請求が出ないことを祈るばかりです」
■“解散請求”に危機感…「嘆願書」提出の2世信者語る
嘆願書を提出した現役の2世信者、小嶌希晶さんです。
(現役2世信者 小嶌希晶さん(28))「これこそ理解されがたいと思うんですけど、信じているものを間違っていたと政府からお墨付きをもらう、レッテルを貼られるということが本当に苦しいですよね。献金どうのこうのだとか、誤解があったりとかがあったとしても、そこまでひどい団体だったかなというのは疑問で、2009年のコンプライアンス宣言以降は本当に徹底してきたし、解散が必要な団体ではないと私は思っています」
小嶌さんは去年12月、『信者の人権を守る二世の会』を立ち上げ、代表を務めています。
(小嶌希晶さん)「現役信者の思いも訴えながら、また教会を離れた方々の被害にも目を向け、本当の解決はどこにあるのか」
これは「二世の会」が公開しているシンポジウムの動画です。20代中心の2世信者だけで会を運営しているといいます。
(宗教学者 島田裕巳さん)「世の中でジャニーズ事務所のことが問題になっているが、ジャニーズ事務所を再生することと家庭連合を再生することは似たことだと思う。解体的な再出発をしない限り相当難しい」
シンポジウムには宗教学者も招かれました。
「家庭連合がやっている行動・行為が一般の人たちには理解しがたい。なんでみなさんが受け入れてやっているのか、やっぱりおかしいんじゃないの、という見方がかえって強まっているのではいか」
(小嶌希晶さん)「強まっているんですか?ガーン…」
なぜ教団に批判的なやりとりも公開しているのか?小嶌さんは2世信者と1世信者の“乖離”を指摘します。
(小嶌希晶さん)「(現役2世は)『自分が家庭連合の2世じゃなかったら同じことを思うし』、『解散したほうが良いって思っている」って。でも1世の人たちは、やっぱりそうは思ってなくて、世のため・人のためと生きてきた部分も本当にあるので、そこを否定されて悲しいと。そういう乖離を埋めていく、世の中にも理解されていない部分を発信したいし、教会の内部にも世間はこう思ってるよと、『どうする?』っていう」
(記者)「遠くにバスがたくさん駐車していますね。2世信者の若者たちも歩いて、みんな若い学生たちです」
先月、教団は聖地・清平で日本の2世信者およそ6000人が参加する大規模集会を開催。韓総裁は演説の中で、日本の2世信者を「世界を救い、日本を救う特攻隊」と表現したといいます。一方、アメリカ・ラスベガスでも日本時間のあす9日、若い信者を前に韓総裁が語る集会が予定されています。
(ラスベガス家庭教会HPから)「真のお母様にお会いできるこの特別な機会に、14歳から40歳のすべての若者を集めたいと考えています」
教団の狙いは何なのでしょうか?
(ジャーナリスト 鈴木エイト氏)「かなり教団自体がピンチになっている中で脱会者を増やしたくない。日本国内でもそうだが、かなり多くの2世が離れている中で、次の世代が育っていかないと結局、教団はじり貧になっていくのでそこを何とか食い止めたい」
10月8日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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