観光を楽しむ間にタクシーが荷物を宿泊先へお届け 京都の混雑解消へ 全国初の“手ぶら観光”実証実験

観光を楽しむ間にタクシーが荷物を宿泊先へお届け 京都の混雑解消へ 全国初の“手ぶら観光”実証実験

観光を楽しむ間にタクシーが荷物を宿泊先へお届け 京都の混雑解消へ 全国初の“手ぶら観光”実証実験

 観光客の手荷物によるバスの混雑やコインロッカー不足が問題となっている京都で、“手ぶら観光”を後押しするタクシーを使った全国初の実証実験が6日から始まりました。

 猛暑も落ち着き、本格的な秋の訪れを待つ京都の街。

 観光地は、多くの人でにぎわいを見せています。その一方で、問題となっているのが、観光客の増加による“オーバーツーリズム”です。

 藤枝 望音記者「こちらの大型のロッカーは使用中のものがずらっと並んでいます」

 京都駅では、昼ごろにはロッカーがすべて埋まってしまうこともあり、大きな荷物を持ったままバスに乗り込む観光客も多く、車内の混雑につながっています。

 そこで、この日から始まったのが、客を観光地まで送り届けた後に、タクシーが“手荷物だけ”を利用者が指定した宿泊先に運ぶという全国初となる実証実験です。

 タクシー運転手「こちらお預かりしますので」

 利用客は事前に予約したタクシーに乗り込み、観光地へ向かいます。

 藤枝記者「これから八坂神社に向かいたいと思います」

 JR京都駅から約15分で八坂神社に到着。手荷物とはここでおさらば。いつもの観光であれば重いスーツケースを持ち上げ、階段を上がるところですが、今回はスムーズに境内へ。

 手荷物は観光を楽しんでいる間にタクシーが宿泊先へ運んでくれます。

 タクシー運転手「藤枝さまの荷物をお届けさせて いただきました」

 そして観光を終え、宿泊先へ向かうと―。

 藤枝 記者「スーツケースを無事受け取ることができました」

 この実証実験は、タクシー運行業者「キャビック」の車両29台を使って行われ、事前に予約した客を対象にサービスが提供されます。

 手荷物の輸送だけでの利用はできず、料金は目的地までの客の交通費と客が降りた場所から手荷物を宿泊先に届けるまでの費用が別途かかります。

 以前は、タクシー事業者が貨物を取り扱うことは、貨物事業者と競合するなどの理由から厳しく制限されていました。しかし、今年6月から規制が緩和され、全国的に旅客と貨物を同時に扱うことができるようになったことからこのサービスが実現したのです。

 新たな試みに観光客は―。
 トルコからの観光客「いつもは荷物をもって観光していますが、そんなことができるなら便利だと思う」
 アメリカからの観光客「お土産なども荷物になるので、とても便利だと思います」
 日本人観光客「手荷物を持ったまま御所を歩くのが大変だったので、あとは料金的な問題かな」

 取り組みを始めたタクシー事業者は…。

「キャビック 」の兼元秀和 社長
「オーバーツーリズムの問題が解決しないと京都に観光に来る人が減っていく。(新たなサービスは)少しでも移動がスムーズになる一助になればということで考えています」

 紅葉の季節を前に始まった新たなサービス。京都の魅力を損なわない観光の在り方が求められています。

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