「金剛バス」12月に廃止、コミュニティーバス方式にする方針 背景に運転手不足と“2024年問題”

「金剛バス」12月に廃止、コミュニティーバス方式にする方針 背景に運転手不足と“2024年問題”

「金剛バス」12月に廃止、コミュニティーバス方式にする方針 背景に運転手不足と“2024年問題”

 金剛自動車・白江暢孝社長
「ご利用いただいていたお客様には、今までご利用いただき大変感謝しております。とともに“廃止”になったことに対して、 ご迷惑をお掛けしまして大変申し訳ありません」

 5日、地域公共交通活性化協議会の会議の冒頭で、「金剛バス」の白江暢孝社長は、苦渋の表情で利用客へ謝罪しました。事の発端は…。

 木村智子記者
「富田林駅前のバス停には、バス事業廃止の張り紙が貼られています」

 大阪府の富田林市、河南町、太子町、千早赤阪村の4つの市町村で運行している金剛バスが、今年12月20日に15路線全てを廃止すると明らかにしたのです。

 金剛バスの利用客
「困りますよ。学校に行っている子もたくさんいるし、困ったもんやわ。何とかしてもらわないと困りますわ」
「お年寄りが多いから、病院通いが多いから、やっぱり困りますね」

 廃止の理由は運転手不足です。利用客も減少する中、給与を上げることは難しく、30人ほどいた運転手のうち、10人以上が待遇の良い観光バス会社などに転職したということです。

 さらに、この問題に拍車をかけるのが、いわゆる「2024年問題」です。

 来年、長時間労働を見直すために規制が強化されるため、バス路線の維持にさらに多くの運転手が必要になるのです。

 30年には全国で3万6000人の運転手が不足する見通しで、金剛バスでも来年以降全ての路線を維持する場合、現在の倍以上の運転手が必要だというのです。実際、全国でも減便や廃止に追い込まれるバス会社が相次いでいます。

 その中、富田林市など4つの市町村は、近くで路線バスを走らせる「近鉄バス」と「南海バス」に運行の引き継ぎを要請していました。

 5日、4つの市町村に国や大阪府の職員、地域住民らも加わり、話し合いが行われました。

 富田林市 松田貴仁副市長
「なかなか12月まで時間がないので、順次。まずは(各市町村から)提案のあった5路線について、バス事業者と協議をしていこうと。」

 検討は今後も続き、11月中旬までに最終的な方針を固めるということです。

◇◇◇
 <中継・木村記者>
 5日の協議会では、4つの市町村が事業主となってバス会社と運行契約を結ぶコミュニティーバス方式にする方針が固まりました。ただ、利用者の多い地域では、路線バスとしての存続を検討するものの、利用者が少ない地域では乗合タクシーするなどの方法も視野にいれるということです。これまで通りの運行形態にはならない印象を受けました。

 (黒木キャスター:バスの運賃や本数などは今後どうなるんでしょうか?)
 今回が第1回目の協議会ということで、具体的な金額や本数の話は出ませんでしたが、本数はおそらく減るのではないかと思います。協議会の冒頭、金剛自動車の白江社長は謝罪していましたが、問題の背景には、企業の力だけではどうにもならないバス業界を取り巻く賃金構造や労働環境の問題があると思います。
 バスの運転手は、労働時間が他の業種に比べて長いにもかかわらず、年収は平均より低い水準となっています。特に、金剛バスのような民間のバス会社の年収は450万円ほどと、他の業種などとかなり低く水準となっています。

 根本的な問題が解決されない限り、金剛バスだけではなく、他のバス会社の未来も見えてこないように感じます。

 今、まさに、金剛バスが来ました。こちら富田林駅行きなんですけれども、約60人ほどが乗れるバスです。私が見る限り、5人程度が乗っている気がしますが、このまま事業が廃止されることになれば、こちらのバスがコミュニティバス方式となり、乗れる人数も減る見通しです。

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