【SDGs】水道管の危機救う?「黒いハコ」 生活用水“徹底リサイクル”新技術(2023年9月21日)

【SDGs】水道管の危機救う?「黒いハコ」 生活用水“徹底リサイクル”新技術(2023年9月21日)

【SDGs】水道管の危機救う?「黒いハコ」 生活用水“徹底リサイクル”新技術(2023年9月21日)

 列島各地で水道管が老朽化。トラブルが多発するなか、生活用水を徹底的にリサイクルする最新技術が注目されています。未来をここからSDGsウィーク。21日のテーマは「安全な水とトイレを世界中に」です。

■水道管の危機救う?「黒いハコ」

 瀬戸内海を望む愛媛県西予市。ある問題が住民を悩ませていました。

 住民 山本英明さん:「あれなんですよ。あそこが私たちの水の命の源流です」

 実はこの区域、昔から“水道管が通っていない”場所だと言います。

 住民 山本英明さん:「自然の山水ですね」

 山奥にある水源、ここから住民5世帯の生活用水を確保しています。

 住民 山本英明さん:「泥が下にたまってるんですよ。これを(大雨の降った時など)全部、流さないといけない」

 生活用水にするためには、山水を濾過(ろか)することが必須。そのため、住民自ら水場を定期的に掃除するなどの管理が欠かせません。ただ…。

 住民 山本英明さん:「作業のできる人も私は68歳だが、一番若いのでなかなか厳しい」

 高齢化と過疎化が進むなか、水道管のない町は不安を抱えていました。

 水道インフラを巡る問題は西予市に限ったことではありません。近年、日本各地で老朽化に伴う水道の破損事故が発生していて、水道インフラを今後、どう維持していくかが大きな問題となっています。

 現在、およそ2割の水道管が耐用年数の40年を超えていますが、その更新費・修繕費には今後30年で年間1.8兆円もの費用がかかると試算されています。最も影響を受けるのは、すでに厳しい運営状況に直面している過疎地の水道インフラです。

■生活用水“徹底リサイクル”新技術

 そうしたなか、問題を解決に導く画期的なアイデアが。それが「水のリサイクル」です。

 WOTA 前田瑶介代表:「各建物単位で水を再生して循環利用をする」

 水事業を手掛けるスタートアップ企業のWOTAです。住宅単位で水を処理、循環させるシステムを構築。今年8月、その実証実験が始まりました。その場所の1つに選ばれたのが水道管の通っていない山本さんの自宅です。

 家の裏手に付けられた装置…。

 WOTA 越智浩樹さん:「これが水の再生循環システム」
 
 一見すると、冷蔵庫のようなボックスですが…。

 WOTA 越智浩樹さん:「シャワーとか洗濯の排水がここに流れてきて、水道水質を保つ状態にしたうえで、また使えるようにする」

 仕組みは、家の中で水を使用した後、生活用水とトイレの水は別々に分けられて装置に向かいます。それぞれ処理を施された後に再び住宅へと供給。何度も水を蘇らせることができるのです。

 住民 山本英明さん:「普通に洗えるので、これが返ってきてもう一回使えるというのは水源地に行って掃除をしなくてよくなるので、とてつもなくありがたいことですね」

 WOTA 越智浩樹さん:「2030年に世界の水問題で、解決できるめどを立てることを目指している」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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