新サービス「共通温泉パス」 名物温泉の行き来OK 宿泊客減少でライバル旅館が協力(2023年9月20日)
全国の旅行支援が終わりを迎えるなか、一部の観光業は苦戦を強いられています。静岡県の伊豆長岡温泉では、ライバル同士の温泉旅館を行き来できる「温泉パス」で多くの客を呼び込もうとしています。
■予約状況が半年前から一変…なぜ?
静岡県の伊豆長岡温泉にある「おおとり荘」。水揚げされたばかりのイセエビなど、豊富な海の幸に旬の野菜をふんだんに使った豪華な料理が宿の自慢です。
最上階の7階には、箱根連山や伊豆半島を流れる狩野川を望む展望露天風呂があります。宿泊料金は、1泊2食付きで1万1000円から。去年は予約でいっぱいでしたが、半年ほど前から、その状況は一変したと言います。
おおとり荘 原勝政支配人:「(平日は)半分以上の部屋が空いているのが現状です。少し落ちるなと思ったが、ここまで落ちるとは想像していなかった」
宿泊客が減った理由は、全国旅行支援の「今こそしずおか元気旅」で、宿泊施設へ直接予約する分の割引が3月いっぱいで終了となったからです。
原支配人:「今まで1万5000円が1万円で泊まれるというのが全くなくなったという状態で。お客さんからも、もうちょっとしたら割引があるんじゃないかとか、今行ったら損じゃないかという認識があるような気がします」
■新サービス「湯めぐり手形」 2つの旅館がタッグ
そこで考えた起死回生のアイデアが、チケット「湯めぐり手形」です。チケットを手に向かったのは、歩いておよそ1分のところにある、別の温泉旅館「弘法の湯・本店」です。
弘法の湯 齋藤麻由美さん:「(Q.湯めぐり手形を持ってきたんですけど、お風呂入れますか?)もちろんです」
「湯めぐり手形」があれば、それぞれの旅館に泊まった客は、もう一方の旅館の温泉を楽しむことができます。
多くの客を呼び込もうと、ライバル関係にあった2つの旅館がタッグを組んで、今月からこのサービスを始めました。
“弘法の湯”の自慢は、体の芯まで温まる岩盤浴です。
齋藤さん:「私共は、お風呂が全部1階で展望がない。おおとり荘には素晴らしい展望のお風呂があって。逆におおとり荘のお客様が私共の岩盤浴・ラドン浴を利用いただけるメリットは高い。ライバルですが、お互いのお客様が今以上に満足していただける、今回の提案を賛同して始めました」
苦境を乗り越えるために手を取り合った「湯めぐり手形」で、2つの旅館は「お客さんに来てほしい」と期待しています。
(「グッド!モーニング」2023年9月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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