“怠け者選手権”横になり続け…限界挑戦 最長記録更新中 モンテネグロで開催の理由(2023年9月12日)

“怠け者選手権”横になり続け…限界挑戦 最長記録更新中 モンテネグロで開催の理由(2023年9月12日)

“怠け者選手権”横になり続け…限界挑戦 最長記録更新中 モンテネグロで開催の理由(2023年9月12日)

 ヨーロッパの東南・バルカン半島に位置するモンテネグロで“最も怠惰な国民”を決めるという摩訶不思議なコンテストが開催された。その過酷なルールと、予想外の展開とは?

■横になり続け…限界に挑戦

 “アドリア海の秘宝”と呼ばれるモンテネグロ。国土面積は、福島県ほどの小さな国だが、世界遺産のコトル湾などをはじめ、豊かな自然を生かした観光業が盛んな国だ。

 旧ユーゴスラビア連邦の構成国だったが、分離独立を繰り返し、2006年に現在の体制になった。

 そんなモンテネグロの一軒の家で、横たわる数人の男女。病院と思いきや…。

 参加者:「幸いなことに、みんな健康状態は良好で気分もいいです。私たちがしなければならないのは、横になることだけなんです」

 健康なのに、横になっていなければいけない?一体、どういうことなのか?

 主催者:「誰が最も長く寝そべっていられるか、競っているんです」

 人呼んで「最も怠惰な国民コンテスト」。驚くべきは、その怠け具合だ。

 参加者:「私は、おととしのチャンピオンです。その時は117時間、寝そべり続けました。でも、今はその3倍寝ています。きょうで20日目です。ここにいる全員、これほど長く続くとは思っていませんでした」

■12年の歴史上…最長記録を更新中

 ルールは、いたってシンプルだという。

 主催者:「横になっている間は、読書や携帯電話、パソコンなどを使うのは自由です。でも、立ち上がったり、上半身を起こしたりした時点で、失格です。トイレ休憩は、8時間ごとに10分だけ認められます」

 コンテストが始まったのは先月18日。当初は、屋外の木陰で始まったが、予想外に長期化したうえ、雨が降り出したため、場所を屋内に移したという。

 最後の1人まで残った「最も怠惰な国民」には、およそ15万円が贈られるという。

 参加者:「自分の限界に挑戦するために参加しました。来たからには、絶対勝ちたいです。モチベーションと暇はたっぷりあります」

 地元の新聞によると、10日の時点でコンテスト開始から24日が経過。500時間を超え、12年の歴史で最長記録を更新しているという。

■“怠け者”推奨?モンテネグロの国民性

 なぜ、このようなコンテストが開催されたのだろうか?

 ニューヨーク・ポストによると、そもそもモンテネグロの人々が“怠け者”と言われていることがあるという。

 どれくらい“怠け者”なのかというと、怠け者の国民性を表す「モンテネグロの十戒」というものがあるそうだ。

 その内容の一部を見てみると、「人は生まれながらにして疲れており、休むために生きている」「汝(なんじ)を愛するように、汝のベッドを愛せ」「仕事をしたい衝動に駆られたら、座って過ぎ去るのを待て」「飲み食いする人を見たら、その輪に加わりなさい。働いている人を見たら、邪魔をせずに立ち去れ」

 こうした「モンテネグロの十戒」を印刷したものが土産物などとして売られているそうだ。

■休むことの大切さ=サモ・ポラコを再確認

 このように“怠け者”とされる背景について、モンテネグロ政府観光局は、国民が大事にしている「サモ・ポラコ」という精神があるのではないかとしている。

 サモ・ポラコは「気楽に」と「落ち着いて」といった意味の言葉が合わさったものだという。

 モンテネグロではカフェ文化が発達していたことに加え、古くから人との関係を大切にしてきたことから、ストレスにさらされる場面に直面すれば、人とコーヒーを飲みながら落ち着くといった習慣があり、それがサモ・ポラコの精神を生んだという。

 現地メディアによると、今回開催された「最も怠惰な国民コンテスト」は、こうした怠け者とされるイメージを逆手にとったものであるとともに、絶えず活動することが重視される現代において、休むことの大切さ、つまりサモ・ポラコを再確認するものだということだ。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年9月12日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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