秋の味覚に“明暗” 「庶民の味方」サンマ高値で“消滅危機” サケは豊漁(2023年9月4日)

秋の味覚に“明暗” 「庶民の味方」サンマ高値で“消滅危機” サケは豊漁(2023年9月4日)

秋の味覚に“明暗” 「庶民の味方」サンマ高値で“消滅危機” サケは豊漁(2023年9月4日)

 これから旬を迎える「秋の味覚」の代表サケとサンマ。両者の「明暗」が分かれています。

■秋の味覚に“明暗” サケは豊漁

 秋サケの初競り。北海道の太平洋沿岸で水揚げされたブランドザケ「銀聖」に4日朝、1キロ2万3500円の最高値が付きました。

 カネシメ高橋水産 河合直樹さん:「前年並みに豊漁が予想されている。魚体も大きいので、それだけ脂もある」

 脂が乗っている秋の味覚の代名詞といえば「庶民の味方」のサンマです。ところが、都内の鮮魚店では今、異常事態が…。

 魚米商店 岩瀬清さん:「サンマを仕入れるのをやめた」

 魚敬 中平敬二さん:「売れるような状態じゃないから、まだ出ていない」

■2匹で900円 高値で“消滅危機”

 店頭から続々とサンマが消える危機に陥っています。

 東京の下町にある鮮魚店。4日に取材すると、刺し身用のサンマが2匹で900円と値上がりしています。

 買い物客(40代):「高くても好きだから買うけど、安かったらありがたい」

 買い物客(80代):「妻が好きなので、出るのを待ってて買いに来た」

 ところが、店頭に様々な刺し身が並ぶ別の鮮魚店ではサンマの刺し身がありません。

 魚米商店 岩瀬清さん:「今年のサンマはまだ量が少ないし、漁場が遠いから鮮度の良いのがない。小さい。まだ高い。まだサンマを仕入れていない」

 本来はこれから旬を迎えるはずが近年、不漁が続いていて今年も価格が高騰。現状では仕入れを断念する鮮魚店が相次いでいます。

 魚敬 中平敬二さん:「厳しい。買えない。大きめで売値700円から800円。値段が下がってくれれば良いが、魚より総菜に力を入れている」

■28年店名「秋刀魚」も変更危機

 サンマが売りの飲食店も創業以来の窮地に追い込まれています。

 海鮮居酒屋「秋刀魚」 山風呂真之さん:「営業も苦しいし(サンマが)取れないで困っているし、二重、三重苦。看板を変えなきゃいけないかも」

 都内の海鮮居酒屋「秋刀魚」。こだわりの店名を28年守ってきましたが、変更することも考えるほどピンチに。今年は生のサンマがなかなか手に入らず、去年の冷凍ものでしのいでいます。しかし…。

 海鮮居酒屋「秋刀魚」 山風呂真之さん:「産卵して脂がなくなった状態で、浜で干したやつ。今もうだんだん残りが少なくなってきている。どうしようかなと」

 秋にはサンマを食べて育った世代からも不安の声が…。

 客(30代):「今の時代に生まれた子どもたちは(サンマが)なくなっちゃうかもしれない。食卓に並ばなくなっちゃうので」

 4日、ようやく生のサンマ7匹と冷凍もの1箱を入荷。ただ、先行きは不透明です。

 海鮮居酒屋「秋刀魚」 山風呂真之さん:「ない時は不安が募ってくる。入ってくればちょっと安心。それが交互にやってくると今後は思う。出し惜しみなしで頑張る」
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