【プリゴジン氏厳戒葬儀】政権とワグネルが“利権争奪”蠢く諜報工作◆日曜スクープ◆(2023年9月3日)
約2カ月前に政権に対する武装蜂起を起こした後、搭乗機の墜落により死亡したロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者プリゴジン氏の葬儀が8月29日、サンクトペテルブルクで営まれた。墓地周辺は厳戒態勢が敷かれた。プーチン政権はプリゴジン氏が英雄視されるのを警戒する。ロシア大統領府のペスコフ報道官は8月30日、「墜落が故意に引き起こされた可能性も含め調査している」と語り、プリゴジン氏が暗殺された可能性について初めて認識を示した。ワグネルに近いSNSは8月31日、プリゴジン氏を映した動画を公開した。動画の中でプリゴジン氏は、「アフリカにいる。私の殺害や私生活、仕事を巡る憶測が好きな人々へ、全てが順調だ」と述べた。航空機墜落で死亡する数日前の様子を捉えた映像と見られ、プリゴジン氏の発言から8月19日、20日に撮影された可能性が高いとされている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、墜落死する5日前の8月18日、プリゴジン氏は戦闘員の派遣先である中央アフリカを訪問し、トゥアデラ大統領と会談した。プリゴジン氏は、「身辺警護を含む軍事支援を今後も継続する」と伝えた。ワグネルは、アフリカ諸国で希少金属や宝石の採掘権を基盤に巨大利権を築き上げてきた。プリゴジン氏のアフリカ訪問は、利権と影響力保持を画策する狙いがあったと見られる。一方、アフリカ利権に対して、プーチン大統領側も動きを見せる。ロシアのエフクロフ国防次官が率いる代表団が8月22日、リビアを訪問、軍事組織リビア国民軍の司令官と会談した。エフクロフ国防次官はロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)に近い人物とされている。また、プーチン氏は、今年7月末に開催された「ロシア・アフリカ会議」で首脳に、GRUで秘密作戦部門を統括するアベリヤノフ氏を政府のアフリカ担当と紹介した。2018年に英国で起きたロシア軍元情報機関員に対する猛毒物質ノビチョクを使用した暗殺未遂への関与が疑われる人物とされている。アフリカの利権保持を巡り、プーチン氏とプリゴジン氏の間で強い確執が生じたことが、ロシア政府の諜報工作に結び付いた可能性が浮上する。
★ゲスト:廣瀬陽子(慶應義塾大学教授)、長谷川雄之(防衛省防衛研究所)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
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