万博協会“最後の切り札”「タイプX」締め切りまで申請ゼロ…首相、開催へは政府が主導する方針を強調
東京の総理大臣官邸では岸田総理や大阪府の吉村知事が出席し、大阪・関西万博の会合が行われました。会合では再来年の開幕に間に合わせる方針を確認しましたが、本当に間に合うのか。準備が遅れている万博をめぐる東京と地元・大阪での31の動きをまとめました。
岸田文雄首相
「内閣総理大臣として万博成功に向けて、政府の先頭に立って取り組む決意であります」
異例のフルーオープンで行われた大阪・関西万博についての会合には、岸田総理や関係閣僚、それに大阪府の吉村洋文知事らも参加し行われました。
大阪府・吉村洋文知事
「国民の信頼なくして、万博の成功はないと思っています。国、万博協会、経済界、大阪府・市で協力しながら、素晴らしい万博を成功させたい」
岸田首相
「この危機感を政府、大阪府・市、万博協会、経済界が共有するためのもの。これまで以上に緊密に連携し、まさにオールジャパン一丸となって、成功に向けてラストスパートする決意を確認するためのもの」
岸田首相は2025年春から予定通り開催できるよう、政府が主導する方針を強調しました。
2025年4月の万博開幕まで間もなく1年半。ここへ来て、キニナル事態も起きています。
それが…。
万博の“華”ともいえる「海外パビリオンの建設の遅れ」です。
大阪・関西万博では、現在約50の国と地域が「タイプA」と呼ばれる独自のパビリオンを展開する予定ですが…。
31日の時点で大阪市へ建設許可を申請している国は、いまだゼロ!
その前段階の「基本計画書」も提出が済んでいるのは、(韓国・チェコ・モナコの)3か国にとどまっています。
そんな中、万博協会が“最後の切り札”として提案しているのが…。
「タイプX」。
協会が「プレハブ」などの簡易な工法で長方形の建物を建て、内装と外装を各国に委ねるもので、協会は外装の例として、木材を使用したものや壁を緑化したものなどを提示しています。
タイプXへの切り替えを希望する国からの申請は31日が閉め切りで、海外パビリオンの建設めどが明らかになるか期待が高まりましたが…。
吉村知事
「(海外パビリオンが)どういった状況になっているのか、どのくらいの国がAタイプで進めるのか、Xタイプなのか、どういったスケジュールになっているのか、そういったことの方向性についても積極的に情報を開示していくべきだと考えております。国民の信頼なくして、万博の成功はないと思っております」
各国の具体的な意向は明らかにせず、協会幹部によると、先週時点でタイプXへの変更を申請している国はなく、期限を延長する見通しです。
準備の遅れが指摘される中、国、自治体、建設業界や参加する各国が成功に向けて一致団結できるのか。今が正念場です。
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