夏の夜に羽毛布団の取り合い…「避暑地の中の避暑地」長野・木曽町 移住者3倍以上に【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年8月30日)
29日、東京都心は9日ぶりに猛暑日を記録しました。猛暑日は今年22回目となり、年間最多を更新しました。
そんななか、番組はこれまでに千葉県勝浦市、茨城県北茨城市、静岡県富士宮市と涼しいスポットを紹介してきました。
「エアコンいらずの街」というタイトルで、涼しい町と新たに名乗り出た視聴者から「速達」が届き、現地を取材しました。
■東京…9日ぶり猛暑日「逃げ場ない」
ギラギラと照り付ける灼熱の太陽。29日、全国では127地点で猛暑日となりました。
9日ぶりに猛暑日を記録した「東京都心」は、強い日差しで焼けるような暑さです。時刻は午後2時の皇居前、手元の温度計は36℃を超えています。
50代女性:「あまりの蒸し暑さに、大変参っております」「蒸し蒸ししているので、どこに行っても逃げ場がない」
■段違いの涼しい場所?「極端に違う」
厳しい暑さが続くなか、番組はこれまでに、100年以上猛暑日を記録していない千葉県勝浦市。そして太平洋に面した茨城県北茨城市や、日本一の標高差を有する静岡県富士宮市と3回涼しい場所を取り上げました。
第3弾の富士宮の放送後も多くの反響があり、視聴者から番組宛に一通の「速達」が届きました。
名乗りをあげたのは、数々の涼しさの名所をかかえる長野県木曽町です。総面積476平方キロメートル、およそ90%を森林で占め、県の中央西部に位置しています。
県の天然記念物に指定され、現存する在来馬のなかで唯一本州に生息する「木曽馬」や、日本百名山の「御嶽山」の山頂からは雲海の絶景を見ることができ、空に輝く満点の星空には流れ星も。
視聴者からの情報を受け、取材班は標高およそ700メートルにある町の中心部に向かいました。
29日、木曽福島の最高気温は32.9℃。東京都心と比べると、気温は低いものの、標高700メートルにしては暑く感じます。駅前で、話を聞きました。
木曽町住人:「まだ残暑がね。お盆を過ぎるとスーッと涼しくなるんですけど、今年全然ならないもんね」
暑さに悩まされる人が多いなか“耳より”な情報が…。町の中に、段違いの涼しい場所があるといいます。
木曽福島駅前で働く人:「ウィンドブレーカー着ないと『おー寒い』ってなりますので。極端に違いますね」
中心部から車を走らせることおよそ20分、標高およそ1100メートルに位置する木曽町開田高原。人口およそ1万人ほどで、のどかな雰囲気が広がっています。
■涼しさの秘密は…「御嶽山の雪解け水」
手元の温度計は24℃です。木曽福島駅前より、開田高原は7℃以上も気温が低いことが分かります。
住宅が立ち並ぶエリアをサーモカメラで見てみると、屋根や壁は真っ青になっています。温度は、およそ27℃。
開田高原に住む人:「(Q.エアコンない?)ないです。ほとんど(エアコンが)ある家なんかないですよ」
番組に速達を送ってくれた、開田高原に住む大目冨美雄さんです。
大目さん:「(Q.なぜ、番組に速達を送ってくれた?)非常に暑い中で、涼しい場所だということをやっていて。“涼しさ日本一”と言えば『木曽町の開田高原しかないじゃないか』と。速達で大至急送ってみようと。扇風機はありませんし、エアコンはありませんので。もう(勝浦・北茨城・富士宮とは)比べものにならないんじゃないか。こんな感じで寝るんですけど。毛布なしではもう…」
なぜ、こんなにも涼しいのでしょうか?その“涼しさの秘密の場所”に案内してもらいました。
落差30メートル、修行の滝としても有名な「尾ノ島の滝」。勢いよく水が流れ落ちる圧巻の光景です。
大目さん:「御嶽山の麓に位置しているということで。まさに御嶽山の雪解け水が流れてくるということで、非常に冷たいんです。開田高原は非常に平坦(へいたん)地が多くて、まさに高原になっていて。御嶽山から吹く涼しい風が吹き下ろすということで、非常に涼しい」
涼しさの秘密は「御嶽山の雪解け水」。苔が生えた石に日の光が差し込むと、水の美しさが際立つ“幻想的な光景”を映し出します。
サーモカメラで見てみると、滝は真っ青。御岳山の雪解け水が流れる滝から続く、この川。その名も「冷川(つめたがわ)」。夏でも水温は8℃になることもあるといいます。
川に手を入れてからわずか2秒で、手を出してしまうほどの冷たさです。
トラウトキャンプソロー NLアンディさん:「水温が年中通して7℃~8℃って言われているんですね。『北海道よりも涼しいんじゃないか』と…」
まさに涼しい町、開田高原。町では長袖を着ている人も目立ち、涼しさを求め、多くの観光客でにぎわっています。
長野・飯島からツーリング:「避暑地の中の避暑地」
静岡から:「ちょっと涼しくて。びっくりしちゃいました」
大阪から:「大阪と(気温が)20℃違う時がある。開田高原。あまりにも気持ちがよかったので、住まいが…」「(Q.別荘購入?)はい」
■移住者増加…“羽毛布団の取り合い”も
あまりの涼しさに、移住する人も増えています。
去年、50年住んでいた東京・大田区から夫婦で移住した寺内さん。
寝室には…。
妻 寺内美加さん:「(Q.羽毛布団ですか?)羽毛布団ですよ」
夫 寺内健さん:「真夏ですけど羽毛布団」
妻:「取り合いになりますよ」
夫:「寒い」
妻:「(夫は)取ってないって言いますけど。シーツと一緒に、電気式シーツを引くんですよね。『あ~なんか寒くなってきたかも』と思ったら、ここで『ピッ』と(スイッチをいれる)」
羽毛布団の取り合い。そして、電気式シーツと、さすが涼しい町・開田高原。
夫:「妻と木曽の御嶽山に毎年登山をしていて。夏の涼しい気候とか過ごしやすさとか、地元の人の温かさにほれて、来ちゃいましたね。朝晩は急激に(気温が)下がるので…」
妻:「寝ますか、おやすみなさい」「布団かぶりすぎじゃないですか?」
寒さで、夜に起きることもあるといいます。そして午前5時ごろ、起床します。
妻:「おはようございます。うー寒っ足が」
夫:「きょうも朝は冷えています、閉めよう」
部屋に設置している温度計の表示は21℃。そして外に出ると、さらに気温は下がり19℃です。
午前5時20分、畑で地元の名産・トウモロコシを収穫する寺内さん。朝晩の寒暖差で、葉っぱには朝露が…。
午前7時、とれたてのコーンスープで朝食をとる2人。
夫:「温かいスープ飲んで、温めて」
サーモカメラを見ると、部屋は真っ青。コーンスープは色が赤くなり、朝方冷えた体を温めます。
30日朝の開田高原の最低気温は15.2℃と、全国6位に。29日までの1週間では、最低気温全国1位を3回記録しています。
木曽町役場によると、おととし14人だった移住者は去年は45人と3倍以上に。移住の理由として、“涼しさ”も一つの要因だといいます。
夫:「こっちに来て、朝晩の涼しさ。蒸し暑さもないし最高です。クーラーをずっと使って、東京では寝ていたので、疲れがとれなかったりする。こっちは、ぐっすり羽毛布団をかけて寝られます」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年8月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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