府庁で福島県産の水産物を使ったメニュー提供の意向 大阪・吉村知事、処理水めぐり「風評被害防ぐ」
東京電力は福島第一原発にたまり続ける処理水について、24日午後1時ごろに海への放出を開始しました。関西も処理水放出とは無関係ではありません。
大阪でも福島産の水産物の取り扱い量が増えていますが、市場に出入りする業者から聞かれたのは「風評被害」を懸念する声です。
福島県産水産物を扱う卸売業者
「海洋放出は初めてのこと。実際にはスーパーなどが“様子を見る”ということもあるだろう」
「食卓に並ぶまであらゆる人の判断が下るので、簡単な話ではない」
こうしたなか、大阪府の吉村知事の姿は東京にありました。そこで打ち出したのはこうした「声」への対策です。
大阪府・吉村洋文知事
「全国47都道府県の県庁庁舎にある食堂において、福島県産の魚介類を食材として一定期間使っていく。全国知事会が力を合わせて風評被害を防ぐことに取り組むと」
全国知事会 村井嘉浩会長(宮城県知事)
「私は大賛成です。宮城県も当然隣の件で影響出ますから、宮城県の水産物をこぞって食べるということをしますが、合わせて福島県産の水産物を県の食堂などで使わせていただいて、私自身が食することをしたいと思います」
ただ、一足先に、食堂での提供を始めたのが東京都です。今週1週間、被災3県の水産物などをふんだんに使用したランチを提供しています。24日のメニューは、三陸の珍味、宮城県産の「ホヤ」が入ったラーメンです。
東京都庁職員
「なかなか東京でホヤを食べるという習慣がなくて。ラーメンに合う。塩気も適度な感じで非常においしかったです」
しかし、こうしたメニューは今週だけで、吉村知事は大阪府庁での福島県産の水産物を使ったメニューの提供を早ければ来月から始め、継続的に行いたい考えです。
東日本大震災から間もなく12年半。ようやく始まった処理水の放出ですが、安全を守り実効性のある風評対策ができるのか重い課題が突きつけられています。
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