記録的な大雨をもたらした台風7号「地形」「海水温」が影響か

記録的な大雨をもたらした台風7号「地形」「海水温」が影響か｜TBS NEWS DIG

台風7号の今後の見通しについて、気象予報士の森田正光さんの解説です。（15日午後11時すぎの放送より）

台風7号は3時間ほど前に日本海に抜けた模様です。ただ、まだ強風域が直径600キロほどと広く、東海地方から中国地方まで入っています。このあとに抜けても南風が強まると予想されます。一部、北風が山に当たったところ、特に鳥取県内では雨が激しく降り、午後4時40分に大雨特別警報が発表されました。（気象庁は15日午後11時10分、鳥取県東部に発表していた大雨特別警報を大雨警報に切り替えました）

15日午前5時ごろに上陸しましたが、まず三重県の宮川といったところで大雨が降りました。その後、日本海の方へ抜けていきますが、北の方からの雨雲で鳥取や岡山県の一部で激しく雨が降りました。この北から来た雨雲が今回の大雨の特徴です。

15日午後8時までの24時間降水量をみると、▼三重県・宮川で593.5ミリ、▼鳥取県・佐治で506.5ミリ、▼岡山県・恩原で508.0ミリと記録的な大雨となりました。

今回の大雨には海水温が影響してるようです。日本海の海水温は30度ほどで、南の方より日本海の方が水温が高かったんです。

今回、台風7号が大阪湾の辺りにあるときに北風が継続して吹き、日本海の水温で暖められた湿った空気が、山に当たってより一層激しく降る大雨のもとになったんです。地形と海水温の影響が大雨特別警報に繋がったと思われます。

今後の進路をみると、15日午後9時現在、北へ時速15キロで進んでいます。中心の南東側にあたる北海道や東北地方では、台風に向かって強い南風が吹きそうです。さらに日本海側ではフェーン現象の可能性もあります。16日には日本海に抜けていきますが、今後は風に対する警戒が必要となりそうです。

九州や四国では別の低気圧による雨雲が出てきますので、これまでの雨で地盤の緩んでいるところでは、土砂災害などに引き続き警戒が必要です。

予想雨量です。東海地方は200ミリ、北陸・中国では150ミリとなっています。

【予想雨量】（あす夕方まで・多い所で）
東海　200ミリ
北陸・中国　150ミリ
関東甲信　120ミリ
近畿　100ミリ

▼東海（あさって夕方まで・多い所で）
100～150ミリ

15日、名古屋から岡山の間で運転を取りやめた東海道新幹線と山陽新幹線ですが、16日は始発から平常通り運転される予定です。

一方、空の便ですが、15日は伊丹空港と中部空港を発着する便を中心に欠航が相次ぎましたが、16日は全日空、日本航空ともに一部の便を除き平常通り運航する予定です。

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