逃げる道中に火の手…ハワイ山火事 1000人と連絡取れず(2023年8月12日)
焼き尽くされた住宅街。あちこちから白い煙があがっています。
(車で避難中の住人)
「嫌、本当に死にたくない。」「車から出て、何とかしないと」「逃げる場所なんてないよ!」
避難している道中で撮影された映像です。道路脇の住宅は燃え、辺りは煙に包まれています。
風も強く、火の粉が舞っています。日本人観光客も巻き込まれ、避難を余儀なくされました。
(観光で訪れていた藤田岳さん)
「本当に錯乱状態で…情報も錯綜してますし」
大規模な山火事の被害を受けた、人口およそ16万人のマウイ島。ホノルルのあるオアフ島とハワイ島の間に位置します。もっとも被害が大きかったのは島の西側にある最大都市ラハイナです。
これはそのラハイナで今月4日、山火事が発生する4日前に撮影された映像です。海岸近くのリゾート地には多くの車や人が行き交い、賑わいを見せています。
その街が、変わり果てた姿となってしまいました。山火事が発生したのは8日。火は瞬く間に、住宅地へと押し寄せました。
(地元住民)
「まだここに残っている人!ただちに避難してください!すぐに逃げて!すぐに立ち去ってください」
CNNは被害拡大の理由の1つとして、「強風」をあげています。マウイ島では、一時、風速30メートルを超える強風が吹いていたといい山火事の広がりを、一気に加速させました。
(地元住民)
「すごい勢いで山から火が迫っているのに気が付いた時、左右からも火が迫り、(建物が)崩れ落ちていました」
住宅が炎に包まれる中、強風で火花が飛び散っています。この強風によって、消火活動も困難を極め、成す術なく、住宅街を焼き尽くしていったのです。
発生から4日が経って、新たに問題視されていることがあります。
CNNなど複数のメディアによると、マウイ島には非常事態を知らせるサイレンが80基あるものの、作動しなったといいます。
(ハワイ州知事)
「通信手段が山から降りてきた1000℃の熱で破壊されてしまいました」
そのため住民に火災が周知されず、被害が拡大した可能性が指摘されています。
先月29日から観光でマウイ島を訪れていた藤田さん。現場はパニック状態だったといいます。
(観光で訪れていた藤田岳さん)
「もう何がどうなっているか分からなくて、とりあえず避難所に。戦争の中の、車が燃えているみたいなのが、何百台もあって、家とかも完全に落ちちゃったり…」
現在は、被害の大きかったラハイナからは離れた地元の高校に避難しているといいます。
(観光で訪れていた藤田岳さん)
「(避難所では)実際に感動の再会みたいなものもあって、受付のところで「生きてたの」と再会して、泣いてハグしてみたいな方も結構いらっしゃいました」
CNNによると現在、確認されている死者は80人。しかしおよそ1000人の地元住民と連絡がついていないといい、犠牲者の数は大幅に増加する可能性があるといわれています。
サタデーステーション 8月12日OA (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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