台風7号“列島横断”の恐れ 都市型災害「3つのリスク」(2023年8月12日)

台風7号“列島横断”の恐れ 都市型災害「3つのリスク」(2023年8月12日)

台風7号“列島横断”の恐れ 都市型災害「3つのリスク」(2023年8月12日)

本州に迫る台風7号。大都市が点在する地域を直撃する恐れが出てきました。専門家と共に都市を襲う台風の「3つのリスク」を考えました。

■1つ目のリスク「車での避難」

2019年の台風19号。これは避難する車のドライブレコーダーの映像です。

(栃木・足利市 2019年10月)
「やっちゃったぁ…これ死ぬわ、あ~、だめ、これじゃあ、あ~、だめだめ。ごめん、あ~これ死ぬわ、このまま行けないわ、死ぬわ本当に」

冠水した道路で死を覚悟した男性。ヘッドライトが消える直前に脱出し一命をとりとめました。

JR宇都宮駅の前では複数の車が立ち往生。川崎市では、取材班の目の前で車が冠水した道路に突っ込み動けなくなりました。

2019年、静岡県に上陸し、東日本の広い範囲で記録的な大雨を降らせた台風19号。屋外で亡くなったのは50人。そのうち車の中で亡くなったのは半数を超える26人でした。

政府で30年にわたり防災対策に携わってきた東京大学の池内名誉教授は…

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「とにかく一番危ないのはアンダーパスですよね」

(大分市 2022年9月)
「冠水してる!冠水してる!冠水してる!」

アンダーパスは水がたまりやすい上に周辺が冠水していないため気付きにくいケースが多く危険だといいます。

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「車って水に弱いんです。非常に弱いんです。例えば30cm程度の浸水でもエンジンがストップしてしまったり、あるいは50cm程度でも流されたりする可能性があります。一旦浸水が始まってますと車での避難は避けるべきだと思います」

■2つ目のリスク「大規模な浸水」

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「都市の場合、地表面がアスファルトやコンクリートで覆われています。降った雨が地中に染みこまず、一気に下水道に流れ込んでいきます」

2019年の台風19号ではこんな現象が…

(松本拓也記者 2019年10月 東京・八王子市)
「交差点にあるマンホールから勢いよく水が噴き出しています」

東京・八王子市にある交差点のマンホールから高さ2メートルを超える大量の水が噴き出し、辺り一面が冠水。大雨によって川の水位が上昇したことで下水道などの排水能力が追いつかなくなったのです。

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「都市部には、目に見えている川だけじゃなくて地下には非常に大きな排水路網があります。そこを通って水が排水されているということなので、そこが能力を超えると一気に浸水が発生します」

家の中でも起こる可能性が…

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「例えば排水溝ですよね。それからトイレですよね。水が逆流してくる可能性があります。対策としてゴミ袋を2重にして水を入れて、いわゆる水のうですね、(それを使うことで)一気に出てくるのは防げる」

■3つ目のリスク「停電の長期化」

2019年9月、千葉市付近に上陸した台風15号は、最大瞬間風速57.5mを観測。この台風で千葉県内のおよそ64万戸が停電し、千葉市では、完全復旧までに18日間を要しました。

(東京大学 池内幸司名誉教授)
「我々の生活というのは、もう相当程度、電気に依存しています。電気が止まるとエレベーター使えない、上水は使えない、下水道も使えなくなる。生活を支えるものは、使えなくなります」

千葉市では、当時の教訓を生かし、停電に備えた対策をいち早く導入しています。

(千葉市脱酸素推進課 工平晴俊課長)
「避難所の強化ということで各避難所に太陽光パネルを設置しています」

屋上に設置された太陽光パネルは、天気が良い日に随時発電を行い、電気は蓄電設備に送られます。

(千葉市脱酸素推進課 工平晴俊課長)
「照明とか通信機器、そういったものを使用する前提で2日程度持つことになります。晴れていれば、また蓄電されますので、またさらに使っていける」

このシステムの導入で、停電中であっても、避難所の機能が維持できるといいます。千葉市内におよそ200か所ある避難所のうち、現在140か所に設置済みです。

サタデーステーション 8月12日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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