“空白の12日間”「自首させたく」 “薬物問題”林真理子理事長が謝罪(2023年8月8日)
日大アメフト部の薬物問題を巡り、林真理子理事長が8日、会見を開きました。会見では大学側が植物片を発見してから警視庁に通報するまでに空白の12日間があったことについて、経緯が説明されました。
■隠蔽疑惑を否定「非常に遺憾」
違法薬物事件の“隠蔽疑惑”について日本大学の林真理子理事長は会見で強く否定しました。
日本大学 林真理子理事長:「(Q.隠蔽したという疑念を持たれていることについて率直な思いは?)きちんと皆さんに対応するためにはこれだけの期間が必要でございまして、隠蔽と言われる言葉が一体、どこから出てくるのか私は全く分かりませんが、隠蔽という言葉を使われるのは非常に遺憾でございます」
■「茶葉のよう」 不審物検査で発見
日本大学アメリカンフットボール部の北畠成文容疑者(21)が東京・中野区にあるアメフト部の寮で覚醒剤の成分を含む錠剤と乾燥大麻を所持していたとして逮捕された事件。なぜ、すぐに警視庁に連絡しなかったのか。林理事長は植物片や錠剤が見つかったことを知らなかったのか。日大側が一連の経緯について説明しました。
日本大学 酒井健夫学長:「7月6日の持ち物検査では、所有者不明の細かい茶葉のようなものがわずかに付着した小さなビニール袋と内容が不明の容器といった不審物を発見しました。その後、7月18日に警察に対し、途中経過の報告と相談をしました」
■“空白の12日間”「自首させたく」
捜査関係者などによりますと、警視庁に対して保護者などから少なくとも去年から複数回にわたり「大麻を吸っている部員がいる」という趣旨の情報提供があったといいます。ただ、情報提供には氏名などの詳細な情報がなく、家宅捜索には至りませんでした。
6月末、警視庁から対応を求められた日大側は調査を行い、「部員が薬物を所持したことや使用したことはない」などとしました。しかし、警視庁は日大側の対応が不十分だとしてさらなる対応を求めました。
■「カスのような物」副学長は確認
これを受け先月6日、日大側が寮の調査に踏み切ったところ植物片と錠剤を発見したのでした。しかし、日大側が警視庁に連絡したのは発見から12日後の7月18日のことでした。なぜ、すぐに警視庁に連絡しなかったのでしょうか。
日本大学 澤田康広副学長:「7月6日に私が発見した際にはある入れ物に入っていたが、大麻であると鑑定された小さなビニール袋いわゆるパケと言われているもの、その中に入っていたものは見た感じ、非常に微量で細かくカスのような感じに見えました。これ自体が明らかに大麻であるというふうにははっきりとは分かりませんでした。ただ、大麻の疑惑があるということで大麻のカスなのかもしれないとは思いました。錠剤についてはパケの下というかそれ以外のところにあって、パケを見た時に入れ物の中のものは触るべきではないと思いましたので、全く触っていないので中に何が入っているかは詳細に確認していない。錠剤についての認識を持つことができなかった。あるとしても大麻かなという程度の認識」
日大の澤田康広副学長は元東京地方検察庁総務部の副部長です。
日本大学 澤田康広副学長:「(Q.植物片を見つけた時には澤田副学長は立ち会っていた?)植物片ではなく植物細片と申し上げたように、ほとんどカスのようなもので、何かよく分からないようなものを見つけた。その時に私も認識しております」「(Q.澤田副学長としてはよく分からないと)パッと見よく分からない。ただ、大麻のカスかもしれないと思いました」
■“お飾り報道”「評価とても残念」
日大の改革を託された林氏は去年7月、女性初の理事長として就任。そのひと月前に文部科学省を訪れ、大学の体質について課題をこう指摘していました。
“理事長就任前”林真理子氏:「一番の課題はもちろん体質の古さ、非常にマッチョな体質。上の人が何か言うと下の人が黙って従うという、私はまずここを改革したいと思います」
林理事長が語った「非常にマッチョな体質」。その改革は進んでいるのでしょうか。いまだ旧体制が残っているという指摘について林理事長は。
日本大学 林真理子理事長:「昨今、理事のなかに旧体制の勢力が残っていて、私がお飾りの理事長であるという報道がなされているようでありますが、そのような評価を私はとても残念に感じております。ガバナンスに対し、相変わらず欠如しているとか、旧体制と変わらないと評価されることは誠につらく残念でなりません。もちろん着手してまだ1年と少しですので、完全なものには至っていない部分もあったかと思います。改革の再出発としてまず、今回の問題について真摯に取り組み、大学をあげて原因究明と再発防止に全力で尽くして参ります」
■スポーツ分野「問題抱えていた」
8日の会見の場にいたスポーツライターの小林信也氏は。
スポーツライター 小林信也氏:「本当に競技スポーツの現場にまで改革のメスが入れられるかということはすごく重要だと思っています。それによって今後、アメフトが通常通りの活動が許されるのか、非常にもっと厳しい処分の対象になるのかということも見えてくるんじゃないかなと思います」
林理事長は、会見の終盤でこのように述べました。
日本大学 林真理子理事長:「実は一番、重たい問題を抱えていたのはこのスポーツの分野だったことを皆様の質問から認識しました。本当に皆様が言う通り、私の分野ではないから知らないとは申すつもりはございません。私の方でもっと積極的に遠慮せずにどんどん行くべきだったなと今、考えております」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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